明らかなフライングも猛抗議→再出走で失格、中国陸上選手が謝罪「失敗を認め、正視しやり直す」【アジア大会】
1日に行われた杭州アジア大会の陸上女子100メートル障害決勝で、不正スタートを巡り騒動が起きた。中国人選手とインド人選手がフライングとなったものの、レースを走り、それぞれ2着と3着で入線した。しかし、インド陸連側の抗議により、中国人選手だけが失格となり、インド人選手は繰り上がりで銀メダルとなった。中国メディアは、失格となった呉艶妮(ウー・ヤニ)の謝罪コメントを伝えている。
女子100メートル障害決勝で思わぬハプニング
1日に行われた杭州アジア大会の陸上女子100メートル障害決勝で、不正スタートを巡り騒動が起きた。中国人選手とインド人選手がフライングとなったものの、レースを走り、それぞれ2着と3着で入線した。しかし、インド陸連側の抗議により、中国人選手だけが失格となり、インド人選手は繰り上がりで銀メダルとなった。中国メディアは、失格となった呉艶妮(ウー・ヤニ)の謝罪コメントを伝えている。
スタート位置についた4レーンの呉が号砲より早く飛び出し、連れて5レーンのジョティ・ヤラジ(インド)も飛び出した。呉とともにヤラジにレッドカードが出され、2人は猛抗議。長い協議の末に出走が認められ、呉は2着、ヤラジは3着でゴールした。ただ、レース後に呉は失格となり、ヤラジは繰り上がって銀メダルとなった。
インド紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」によると、ヤラジは抗議の際に「フライングをしたのは呉だ」と主張。映像で検証した結果、呉が早いスタートを切り、ヤラジはそれに反応しただけと認められたため、長い協議の末に出走が認められた。レース後はインド陸連側が呉の失格を求める抗議を行い、最終的にヤラジが繰り上がったという。
中国紙「北京日報」は「呉が深夜に謝罪のコメント『本当に申し訳ありませんでした!』」とのタイトルで記事を掲載。呉の言葉を伝えた。
呉は期待してくれたファンや友人、同組で走った選手に向け「本当に申し訳ありませんでした。審判団の最終的決定を尊重し、規則、試合を尊重するとともに、試合を終えたチームメイトやライバルにはお祝いの言葉を贈ります」とした。
フライングについては「私のスタートの技術は改善が必要ですし、心の持ち方も改めて調整する必要があります。この試合で勝ちたいという気持ちがとても強くて、近くにいたインドの選手に対する誤審まで招いてしまって、彼女には本当に申し訳なかったです」とし、ヤラジへ謝罪。「自分に重いプレッシャーをかけすぎて、結局つぶれてしまいました。ただ、負けません。スポーツを通して、どこかで転んだら、そこで立ち上がり、失敗を認め、失敗を正視し、やり直すことを学びました」と再起も誓った。
4着だった日本の田中佑美が銅メダルに繰り上がり、日本の陸上ファンにも驚きの出来事になった。
(THE ANSWER編集部)