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マラソン山下一貴「予兆全くなかった」 入賞目前で両脚痙攣、失速12位も笑顔「日本選手でも戦える」

ブダペスト世界陸上は27日、男子マラソンが行われた。日本歴代3位のタイムを持つ26歳・山下一貴(三菱重工)が2時間11分19秒の12位で日本勢トップとなった。5位を快走していたが、入賞目前の40キロ過ぎから両脚の痙攣で2度失速するアクシデントに見舞われ、順位を落とした。2013年モスクワ大会の中本健太郎(安川電機)以来、日本勢5大会ぶりの入賞は惜しくも逃した。

世界陸上男子マラソンの山下一貴【写真:奥井隆史】
世界陸上男子マラソンの山下一貴【写真:奥井隆史】

ブダペスト世界陸上

 ブダペスト世界陸上は27日、男子マラソンが行われた。日本歴代3位のタイムを持つ26歳・山下一貴(三菱重工)が2時間11分19秒の12位で日本勢トップとなった。5位を快走していたが、入賞目前の40キロ過ぎから両脚の痙攣で2度失速するアクシデントに見舞われ、順位を落とした。2013年モスクワ大会の中本健太郎(安川電機)以来、日本勢5大会ぶりの入賞は惜しくも逃した。


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 レースはスタートから41歳・バトオチル(モンゴル)が飛び出す。後続との差を広げていたが、その後10キロ手前で集団が追いつく。バトオチルはその後、右腿を気にするようにして急失速。脱落した。20キロ過ぎ、其田健也、西山和弥がやや遅れる中、山下は先頭集団でも前の位置に立つなど健闘。30キロ通過はトップと5秒差の9番手で通過した。

 山下はアフリカ勢が中心となった先頭集団を引っ張る場面も。しかしその後ペースが上がり、33キロを8位集団で通過した。入賞争いも熱を帯びる中、35キロは7位で通過。その後も一人ひとりとらえていく。38キロ地点を6位、さらに39キロは5位と順位を上げて走る。しかし40キロ過ぎで足に痙攣があったのか、一時立ち止まった。何とか走り出したが後続に抜かれ、ゴール直前にも再度ストップ。それでも笑顔も見せながら、懸命に走りぬいた。

 取材エリアには笑顔で登場。「38キロで左ふくらはぎがつって失速した。予兆は全くなかったので自分でもビックリ」と状況を明かし、一時は上位にいたことに「皆さんも面白いのではと思いながら走っていた」と持ち前の明るいキャラクターを見せた。

「思ったより冷静でした。他に周りに選手いないからあの位置(一時上位)で走れた。集団から離れて追いついたのは、ただ前にいただけ。自分から出たわけではないです。仕掛けたわけではない。プランは決めず、自分のペースを守って走り切ることだけを考えていた。

(左脚をつって以降)ペースを落としたくなくて、『右脚がんばれ』と思いながらだった。でも、右脚もつってしまった。給水前後のペースの上げ下げがきつかったです。つってしまったので夏のマラソンは難しいですね。あの位置にいられたので、日本選手でも戦えるのだと思う。みんなの自信になったら嬉しい」

 山下は駒大2年から駅伝の主要区間を任されるなど成長。2019年、4年生で臨んだ関東インカレ2部ハーフマラソンで2位になった。21年2月のびわ湖で初マラソンながら2時間8分10秒。23年3月の東京マラソンでは、日本歴代3位の2時間5分51秒で日本人トップの7位に入った。

 この日は「かなり緊張して吐きそうでした。20キロくらいまで」と報道陣の笑いを誘い、「隣りに其田さんがいたので、話しかけてリラックスさせていただいた」とコメント。世界との差は「思い切りの良さ。あそこまで出られる心境がわからない」と痛感した。

 2024年パリ五輪代表を決める10月15日のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)にも出場予定。2か月弱と短い異例のスパンだが「つらないようにして優勝を目指したい」と力を込めた。

(THE ANSWER編集部)



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