マラソン松田瑞生は13位に涙「1か月ほとんど走っていなかった。本当に悔しい」 調整不十分も「走る姿を見せたかった」
ブダペスト世界陸上は26日、女子マラソンが行われた。松田瑞生(ダイハツ)が2時間29分15秒の13位で日本人トップ。加世田梨花(ダイハツ)が2時間31分53秒の19位、佐藤早也伽(積水化学)が2時間31分57秒の20位で、日本勢の入賞はならなかった。A.B.シャンクル(エチオピア)が2時間24分23秒で初優勝。松田はレース後に涙を流し「ベストコンディションに合わせられたら入賞できたと思う。本当に悔しい」と悔やんだ。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は26日、女子マラソンが行われた。松田瑞生(ダイハツ)が2時間29分15秒の13位で日本人トップ。加世田梨花(ダイハツ)が2時間31分53秒の19位、佐藤早也伽(積水化学)が2時間31分57秒の20位で、日本勢の入賞はならなかった。A.B.シャンクル(エチオピア)が2時間24分23秒で初優勝。松田はレース後に涙を流し「ベストコンディションに合わせられたら入賞できたと思う。本当に悔しい」と悔やんだ。
朝日に照らされたランナーたちが、ブダペストの美しい街並みを駆け抜けた。現地時間午前7時に号砲。いきなり集団の前に出たのが加世田だった。国際映像のど真ん中を堂々と走る。2キロすぎまで引っ張ったが、その後は松田、佐藤とともにペースを上げた集団の中でレースを進めた。
チャチャ(エクアドル)、サリバン(米国)の2人が抜け出して7キロを通過。しかし、10キロ過ぎで集団が追いついた。12キロ過ぎを加世田が2位で通過。直後、エチオピア勢を中心に一気にペースが上がった。加世田は先頭集団のやや後ろ、松田と佐藤は第2集団でレースを進めた。16キロ手前、セーチェーニ鎖橋を走る中で佐藤が先頭集団に加わり、さらに17キロ過ぎの下りで松田も追いついた。
日本選手3人が先頭集団を走る中、19キロ過ぎでチュランガット(ウガンダ)が転倒。後ろを走っていた松田が巻き込まれそうになったが、なんとか事なきを得てレースを続けた。周回レースは3周目、24キロ付近からアフリカ勢を中心にした先頭集団から日本勢が遅れ始める。25キロ時点で松田が50メートルほど離され、加世田がさらにその後ろをついていった。
日本勢最上位は松田。最後は歯を食いしばるようにしてフィニッシュした。足はふらつき、関係者に支えられながら移動した。加世田、佐藤は4秒差でゴール。ともにシーズンベストだった。松田はレース後のテレビインタビューに目を潤ませ「たくさんの方に支えてもらって、このスタートラインに立たせてもらえた嬉しさを感じさせてもらえた。たくさんの方に応援していただきありがとうございました、また諦めずに頑張ります」と感謝を語った。
その後は取材にも応じ、涙を流した。声を震わせながら「スタートラインに立ってゴールすることが当たり前だと思っていたけど、これまでしてきたことが当たり前ではなかった。その素晴らしさを感じました」と胸の内を語った。
コンディションについては「(足を痛め)1か月ほとんど走っていなかった。諦めたくなくて、走る姿を見せたかった。ベストコンディションに合わせられたら入賞できたと思う。本当に悔しいです」と悔やんだ。「あと一発かましたいです。ベストコンディションに合った時に」とリベンジを誓った。
2024年パリ五輪代表を決める10月15日のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を持つ。2か月弱と短い異例のスパンだが「監督と相談してしっかり準備してから決めたい」と語るにとどめた。
(THE ANSWER編集部)