陥落スペンスJr.への中傷に釘刺し ワンサイド完敗で元世界王者が危惧「追い打ちをかけるな」
ボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦は29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(米国)とWBOスーパー王者のテレンス・クロフォード(米国)が激突。クロフォードが9回TKOで勝利し、世界初の2階級4団体統一を達成した。まさかの完敗を喫したスペンスJr.を、批判から守ろうと元世界王者がSNSで釘を刺している。
世界ウェルター級4団体王座統一戦
ボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦は29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(米国)とWBOスーパー王者のテレンス・クロフォード(米国)が激突。クロフォードが9回TKOで勝利し、世界初の2階級4団体統一を達成した。まさかの完敗を喫したスペンスJr.を、批判から守ろうと元世界王者がSNSで釘を刺している。
思わぬワンサイドでの完敗だった。スペンスJr.は2回にカウンターからワンツーを被弾。尻もちをついてダウンした。その後、手数を出すもクロフォードにかわされる展開。次第にスペンスJr.の顔は腫れ、鼻血も出た。7回には右アッパーを顔面に食らい、2度目のダウン。終了間際にもダウンを喫した。9回、防戦一方となったスペンスJr.がラッシュを浴びたところでレフェリーが試合を止めた。
3本のベルトを失ったスペンスJr.だが、元WBO世界スーパーフェザー級王者のジャメル・ヘリング氏は自身のツイッターで試合後にこうつづった。
「負けて落ち込んだ男に追い打ちをかけるようなことはするな。彼は偉大なチャンピオンを相手に、偉業を成し遂げるためにすべてを賭けていたんだ。ボクシングは、及ばないことで批判されるのを心配することなく、最高の選手同士の対戦を組み続ける必要がある」
敗者に心無い言葉が浴びせられることを危惧し、釘を刺した投稿。海外ファンからは「尊敬するよ」「重大な事実だ。この男たちは戦士。どちらも尊敬する」「その通りだ」「スペンスはエリートであることを証明した。この階級で彼に勝てる選手は(クロフォード以外に)いないと思う。彼の一日も早い回復を祈るわ」「特にボクサーたちからこのことはもっと語られるべきだ!」「これを発信してくれてありがとう! 私は両方のファンで、彼らはすべてを賭けている。私は2人を尊敬するわ」などと同調するコメントが書き込まれていた。
25日には東京でWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ち。その後、一部の海外ファンがフルトンに心無い言葉を浴びせ、同じ米国の元4階級王者エイドリアン・ブローナー氏が苦言を呈していた。今回の投稿には「彼(スペンスJr.)はすでにツイッター上で過大評価だと言われている」などというリプライがあったが、へリング氏は「いや、彼ら(批判する者)は野蛮だ。フルトンにも同じことをした」とも反応している。
(THE ANSWER編集部)