世界ウェルター級4団体王座統一戦

　ボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦は29日（日本時間30日）に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、3団体統一王者エロール・スペンスJr.（米国）とWBOスーパー王者のテレンス・クロフォード（米国）が激突。クロフォードが9回TKOで勝利し、世界初の2階級4団体統一を達成した。ダウンを3度奪取する衝撃のワンサイド決着。敗れたスペンスJr.について、前WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー（米国）は脱水症状を指摘した。

　クロフォードに圧倒された。世界が注目した4団体統一戦。スペンスJr.は2回にカウンターからワンツーを被弾。尻もちをついてダウンした。焦ったか、手数を出すもクロフォードにかわされる展開。次第にスペンスJr.の顔は腫れ、鼻血も出た。7回には右アッパーを顔面に食らい、2度目のダウン。終了間際にもダウンを喫した。

　最後は9回、防戦一方となったスペンスJr.にクロフォードがラッシュを見せたところでレフェリーが止めて決着。スペンスJr.は3本のベルトを失った。

　試合後、ワイルダーは米専門メディア「ファイトハイプ」公式YouTubeチャンネルが公開した動画に登場。クロフォードについて「（PFP1位で）間違いないね。彼の大ファンだよ。バド（クロフォード）はそれを利用したね。クロフォードは楽々やってのけてしまった」「今夜、彼（クロフォード）は最高の選手であることを証明した。彼は別次元にいるかのようだった」などと称賛した。

　全17階級を総合して評価する、いわば現役最強ランキングの「PFP」1位はクロフォードと評したワイルダーは、敗れたスペンスJr.について「今夜少し疲れていたようだ。やるべきことができていなかった」と普段とは違った姿だったと指摘。「エロールは過度な脱水状態だったようだ。肌を見れば分かる、目や動きからも伝わってきた。でも最後まで闘っていたね」と、体調万全ではなかったと分析していた。