5階級制覇王者の40歳ドネア完敗、キャリア終焉か 米記者は衰え指摘「現役続行する姿は見たくない」
ボクシングのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)王座決定戦12回戦が29日(日本時間30日)、米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、元世界5階級制覇王者の同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)が同級3位アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に0-3の判定負け(113-115×2、112-116)を喫した。40歳のドネアは昨年6月に井上尚弥(大橋)との3団体統一戦に敗れて以来の再起戦。1年1か月半ぶりの王座返り咲きはならなかった。米記者からは「これが終わりのシグナルかもしれない」「殿堂入りを楽しみにしている」と衰えを指摘し、キャリアの終焉を指摘する声が上がった。
WBC世界バンタム級王座決定戦
ボクシングのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)王座決定戦12回戦が29日(日本時間30日)、米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、元世界5階級制覇王者の同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)が同級3位アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に0-3の判定負け(113-115×2、112-116)を喫した。40歳のドネアは昨年6月に井上尚弥(大橋)との3団体統一戦に敗れて以来の再起戦。1年1か月半ぶりの王座返り咲きはならなかった。米記者からは「これが終わりのシグナルかもしれない」「殿堂入りを楽しみにしている」と衰えを指摘し、キャリアの終焉を指摘する声が上がった。
閃光の左フックは不発だった。右構え同士の対戦。初回はサンティアゴが積極的にジャブを放ち、手数を増やす。ドネアはカウンターの右フックを合わせ、左ボディーを叩き込んだ。じわじわと圧力をかけた3回。接近戦で連打を放つ相手に対し、代名詞の左フックをぶち当ててぐらつかせた。4回にも懐に入ってきた相手に左アッパー。しかし、中盤に入っても好戦的なサンティアゴに攻められる場面が目立ち、拮抗した。
7回には偶然のバッティングでサンティアゴが左目上をカット。それでも動きの鈍いドネアを手数で攻め立てた。ドネアは10回、一発狙いで左を放つが振るわず。テンポよく打ち込んでくる相手にパンチを空振りさせられた。逆に11回はふらつく場面も。顔は腫れ上がり、最終12回を迎えた。距離を取るなど最後まで元気な相手を仕留めきれず。数々の強敵を葬り去った左フックは不発に終わった。
結果は0-3の判定負け。ツイッター上の米記者からはキャリアの終焉を予期する声が上がっている。米専門メディア「ボクシングシーン.com」のクリフ・ロルド記者は「ボクサーには辞めるべきだとは絶対に言わない。しかし、ドネアが現役続行する姿は見たくない。カナストタ(国際ボクシング名誉の殿堂博物館がある地)で殿堂入りするのを楽しみにしている」とこれまでの功績を称え、現役引退を勧めた。
米専門誌「ザ・リング」の編集長ダグラス・フィッシャー氏は「稀代の名手だったしても、心も整ってクリーンな生活を送っていたとしても、ボクシングでずっと健在でいることは出来ない。ドネアはそれを数年前であれば圧倒していたであろうタフな相手との試合で、いま発見しているのだ」と衰えを指摘。同じくリング誌のライアン・ソンガリア記者も「アレクサンドロ・サンティアゴが空位だったWBCバンタム級の王座をノニト・ドネアに3-0判定で勝利し獲得した。ドネアにとってはこれが終わりのシグナルかもしれない」とツイートした。
本人は試合後のリング上で「このスポーツが大好きです。妻にも伝えたけど、(今後について)またロッカーに戻ってセコンドのみんなと話し合って決めたい」と去就について言及しており、決断に注目が集まる。
(THE ANSWER編集部)