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井上尚弥が実力で粉砕した「大きな誤解」 米記者指摘、フルトンより「とても巧妙で罠を仕掛け…」

ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。戦前から一部では賢さを持つフルトン優位という評価があった中、井上の完勝劇を目の当たりにした米識者は「いくつかの誤解」を提示した。

スティーブン・フルトンを破り、4階級制覇を達成した井上尚弥【写真:荒川祐史】
スティーブン・フルトンを破り、4階級制覇を達成した井上尚弥【写真:荒川祐史】

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。戦前から一部では賢さを持つフルトン優位という評価があった中、井上の完勝劇を目の当たりにした米識者は「いくつかの誤解」を提示した。

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 序盤から新階級の井上がパワフルな動きを披露。出だしから激しいモンスターのパンチに王者はクリンチを繰り返す展開だった。そして8回に井上の右ストレートがフルトンの顎を貫き、間髪入れず追撃の左フックを見舞ってダウンを奪って熱戦に終止符を打った。

 米スポーツ専門局「ESPN」で記者を務めていたスティーブ・キム氏は自身のツイッターに「イノウエ―フルトン戦の、いくつかの以下の大きな誤解について……」とつづり、4つの視点で感想を述べた。

 まずは「フルトンは“スリック”。それは違う」。ボクシング的に“滑らかな攻撃”を示すとされる「スリック」という言葉を多用し「彼はよく鍛えられ、身体能力も高い。しかしスリックではない。スリックな選手であれば、(2021年11月に対戦した)フィゲロア相手にフルトンほどは打たれない。今日の試合でもイノウエの方がずっとスリックだった」と井上の技術を称した。

 次は「イノウエがホプキンス戦のトリニダードと比較されていることについて」とし、2001年のWBA&WBC&IBF世界ミドル級王座統一戦バーナード・ホプキンス―フェリックス・トリニダード戦を持ち出した。当時、圧倒的なKO率を誇るプエリトリコの雄トリニダードだったが、米国のホプキンスに敗れ、プロ初黒星を喫した。

「パンチのパワーに関していえばそうかもしれないが、イノウエの方がフットワークは軽快(実際フルトンよりも軽快だった)で、リング上を上手く移動できる脚を持っていた。彼がパンチに力を与えるために脚を固定する必要もなかった」と指摘した。

 3つ目は「イノウエはとても巧妙で、罠を仕掛けてカウンターパンチを打つ方法を熟知している。フルトンは序盤からそれに疲れさせられていた」とし、パワーパンチャーの井上の方がクレバーな戦いを披露したと評した。

 そして最後の4つ目は「(2017年に対戦した)アダム・ロペスに傷めつけられるような選手(フルトン)であれば、強烈な打撃を持つイノウエのような相手に問題を抱えるのは当然だ」とした。井上の強さを再認識するには十分すぎるほどの「誤解」だったようだ。

(THE ANSWER編集部)


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