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井上尚弥VS悪童ネリに米記者から期待の声 “タパレス戦のその後”に「日本の誇りを取り戻す好機」

ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。試合後のリング上で、この日観戦していたもう一人の2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)に次戦・年内の4団体統一戦を要求したが、米メディアは早くも“タパレス後”にも言及。井上―フルトン戦の勝者への挑戦権を持っていたルイス・ネリ(メキシコ)との対戦に期待を寄せた。

井上尚弥【写真:荒川祐史】
井上尚弥【写真:荒川祐史】

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成した。4団体統一と4階級制覇の両方を達成したのは世界2人目の偉業。試合後のリング上で、この日観戦していたもう一人の2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)に次戦・年内の4団体統一戦を要求したが、米メディアは早くも“タパレス後”にも言及。井上―フルトン戦の勝者への挑戦権を持っていたルイス・ネリ(メキシコ)との対戦に期待を寄せた。

 新階級でも圧倒的な力を見せつけたことで、海外メディアの興味はすでに次戦以降に移っている。その中で米スポーツメディア「スポーティング・ニュース」のトム・グレイ記者は「ナオヤ・イノウエの次戦の相手:モンスターはマーロン・タパレス戦の後に階級を上げるべき?」との見出しで記事を執筆した。

「フィリピン人サウスポー(タパレス)相手に勝利すれば、2階級で4団体統一王者となり、彼はその試合でも大きく優位だろう。タパレスは間違いなく世界レベルで、4月に無敗だったムロジョン・アフマダリエフを下した試合では良かった。しかし、イノウエは今や、史上最高のボクサーのステータスに近づいている。いずれにせよ、タパレス戦が次のステップになるだろう」

 こう展望した一方で「フルトン戦での破壊性により、階級を上げろとの声が上がってくるだろう。私は反対だ……今は。ボクサーの質にかかわらず、階級転向を繰り返すと不利になることがある」とフェザー級への早期の階級変更については否定的な見解を示した。それを踏まえ「タパレスに勝った後、対戦を楽しめる優れたボクサーがスーパーバンタム級にはたくさんいる。ルイス・ネリとの対戦はバチバチになるだろう」と記し、ネリとの対戦に期待を寄せた。

 ネリは今年2月のWBC同級王座挑戦者決定戦で勝利を収め、フルトン―井上戦の勝者への挑戦権を手にしていた。井上はWBCの承認を得ればタパレスとの4団体統一戦に臨むことができるという状況だ。

 ネリには日本人も因縁がある。2017年8月の山中慎介とのWBC世界バンタム級タイトルマッチで4回TKO勝ちを収めたが、試合前に行われたドーピング検査で禁止薬物が検出。ネリは故意の摂取を否定したが、18年3月の再戦ではリミット53.5キロを大幅に上回る2.3キロの体重超過。再計量でもパスできず、王座剥奪となっていた。

「JBCはネリに無期限の活動停止処分を科した。しかし、愛国者のイノウエは雪辱を果たすことで国の誇りを取り戻すチャンスだとみるかもしれない。もしかしたらその一戦は米国かメキシコで行われるかもしれない」と記したグレイ記者は「フェザー級でのイノウエを無視するわけではないが、急ぐ必要はない」「イノウエが将来フェザー級王座を獲得することは予想しているが、118ポンド(バンタム級)で4年半過ごしたように、122ポンド(スーパーバンタム級)でもじっくり時間をとるべきだ」などと記し、早期のフェザー級転向に改めて否定的な姿勢を強調した。

(THE ANSWER編集部)


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