WBC＆WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

　ボクシングのWBC＆WBO世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）タイトルマッチ12回戦が25日、東京・有明アリーナで行われ、挑戦者の井上尚弥（大橋）が2団体統一王者スティーブン・フルトン（米国）に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成した。対戦前、フルトンの勝利を確信していた米トレーナーも、衝撃の一戦後に井上の評価を一変。「ジャブや他のすべてでフルトンを上回っていた」と称賛した。

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　強敵フルトンをもキャンバスに沈めた井上。戦前は海外のボクシング関係者が様々な勝敗予想をしていたが、無敗を誇るIBF世界ウェルター級暫定王者ジャロン・エニス（米国）の父親で、トレーナーを務めるボージー・エニス氏はフルトンを支持する一人だった。

　米ボクシング専門YouTubeチャンネル「YSMスポーツメディア」に出演したエニス氏は「異なるタイプの試合になるかと思っていた。フルトンがジャブを駆使し、リーチを有効活用してアウトボクシングして、彼（井上）を罠にはめて自分のボクシングをするかと思っていたんだ。全くそうはならなかったね。イノウエは試合開始直後から仕掛けてきた。ジャブや他のすべてでフルトンを上回っていた」と井上の戦いぶりを評価した。

　エニス氏は戦前、同チャンネルの動画内で「フルトンは（イノウエより）デカいし、より力強い。負け方を知らないんだ。常に勝利する方法を見つけ出す。フルトンが打ち負かすよ」と予想。“アンチ井上”の立場をとっていた。しかし、予想通りの結末とはならず「イノウエの傑作となったのはフルトンが普段やることができなかったから。自分が知っているフルトンではなかった」と語っていた。