記者会見でのフルトン陣営の発言が波紋

　ボクシングのWBC＆WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチが25日、東京・有明アリーナで行われる。22日に挑戦者の井上尚弥（大橋）と2団体統一王者スティーブン・フルトン（米国）らが、神奈川・横浜市内のホテルで公式会見に出席。その際に王者陣営が、過去の井上のバンテージの巻き方に不服を示したが、米国の名カットマンが「でたらめだ」と一刀両断している。

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　運命のゴングを前に、議論を呼んでいるのが会見内でフルトン陣営のワヒード・ラヒームトレーナーの「安全な方法でテープ（バンテージ）が巻かれることを願っている」などの発言だった。「イノウエのハンドラップ（バンテージ）の記事を見たんだ」と海外メディアの記事を持ち出しながら「巻き方に論争が起きている」と主張したが、井上の巻き方はルール上認められたやり方であり、何の問題もないもの。思わぬ“難癖”をつけられた格好だ。会見の席上で通訳された言葉を耳にした井上も苦笑い。その後、自身のツイッターで「日本には日本のローカルルールがある」と投稿し、相手陣営の主張を一蹴していた。

　米専門メディア「ファイトハイプ」公式YouTubeチャンネルは、フルトン陣営から出た“難癖”について、クリチコ兄弟やアンドレ・ウォードらを支え、映画「ロッキー」シリーズに実名で出演した米国の“伝説のカットマン”ジェイコブ・デュラン氏を直撃。動画内でデュラン氏は、「（フルトン陣営は）でたらめだね。教育が大きなカギなんだ」とフルトン陣営を一刀両断した。

　さらに「何が違うと言うんだ？　靴を履いて、紐の結び方が違うってのと同じことじゃないか。ナックル（指の付け根の関節）にテープが巻かれず、ガイドラインに従っている限り、全く問題などない」と主張。「選手の手を巻く時、中手骨が折れないようにする事が最重要。最も怪我が多いからね。だから、しっかりと固定できていることを確認する。何人かはガーゼ、テープ、ガーゼ、テープのように重ね、別の選手はガーゼにテープをする。違いなんてないんだ」と、井上の巻き方に何の問題もないことを強調していた。