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井上尚弥と激突フルトンの壮絶な過去 10代で闇に堕ちる寸前「金欲しさに薬の売人に電話して…」

ボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は25日に東京・有明アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に挑戦する。迎え撃つフルトンは井上戦に合わせた米専門誌「リング」のインタビューに応じ、これまでの壮絶な過去などについて語った。

スティーブン・フルトン【写真:浜田洋平】
スティーブン・フルトン【写真:浜田洋平】

リング誌のインタビューで過去を告白

 ボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は25日に東京・有明アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に挑戦する。迎え撃つフルトンは井上戦に合わせた米専門誌「リング」のインタビューに応じ、これまでの壮絶な過去などについて語った。

「スティーブン・フルトンはナオヤ・イノウエと国を引き受けるために数多くの挑戦を乗り越えた」と題して公開された記事で「フルトンはボクシングのアマチュアランクを駆け上がっていた16歳頃のことを思い出していた」と紹介された。プロデビューするよりもずっと前のこと。若かりしフルトンはノース・フィラデルフィアで薬物の売人に、その世界に足を踏み入れようと申し出たことがあったという。

「金を得るためにその男(薬物の売人)に電話して、会いに行って彼のバンに座っていたのを覚えている。彼は俺がボクシングをしているのを知っていたから、(売人をやらせるのは)間違っている気がすると、俺に言ったんだ。俺の未来を台無しにしたくないとね」

「その男は俺を巻き込むことはできないと言った。あのとき『ノー』と言ってくれた彼に敬意を持っている。(数インチの幅に指を近づけて)ディーラーになるまであとこれぐらいだったんだ。彼が『ノー』と言ってなかったら俺はいまどうしてるだろう?」

 ボクシングをやっていることを知っていた売人の温情で踏みとどまったものの、闇の世界に堕ちる寸前だったというフルトン。「フッド(低所得者層地域)のガキだったら、毎日自分の人生を賭けていることを理解しないといけない。慣れるためには毎日その環境の中で生きなければならない。目の前の数インチのことしか考えない。牢獄に入る事や殺されることは考えない。16歳の時、それから21歳の時にも俺は愚かなことで(銃で)撃たれたことが複数回がある」と打ち明けた。

 ボクシングの世界には厳しい生活環境から成り上がった世界王者も少なくない。スーパーバンタム級で2本のベルトを巻き、バリバリの現役世界王者に上り詰め、井上の挑戦を受けることになるフルトンも同様、そのハングリー精神がボクシング界で生きる原動力になっているのかもしれない。

(THE ANSWER編集部)


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