井上尚弥戦へ、王者フルトンが超異例2分半で公開練習終了 「あまり見せたくない。ナーバスだ」
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)が14日、神奈川・横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。25日に東京・有明アリーナで前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と対戦。落ち着いた口調で心境を明かしたが、わずか2分半で練習を終える超異例の対応だった。戦績は30歳の井上が24勝(21KO)、17日に29歳になるフルトンが21勝(8KO)。
フルトンが練習公開
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)が14日、神奈川・横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。25日に東京・有明アリーナで前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と対戦。落ち着いた口調で心境を明かしたが、わずか2分半で練習を終える超異例の対応だった。戦績は30歳の井上が24勝(21KO)、17日に29歳になるフルトンが21勝(8KO)。
王者は落ち着いていた。試合まで11日。大橋ジムで練習前に会見したフルトンは率直な心境、コンディションなどを明かした。
「来日してから練習して、休んで食べて、練習して休んでという流れ。コンディションは良好だ。暑さは関係ない。食事はサラダ中心に、チキンとフルーツを食べている」
減量については「いい感じでウェートも落ちている」と説明。残りの体重を聞かれると、笑いながら口元に指を立てシークレットポーズ。「特別なことはしていない。時間をかけてしっかり準備してきた」と強調した。
終始笑顔が目立ったが、異例だったのは肝心な練習内容だ。この日は別の場所で練習後に大橋ジムへ。報道陣の前でシャドーをわずか1分弱で終えると、パンチングボールを打ったのは約30秒だった。「あまり見せたくないんだ。ナーバスだしな」とニヤリ。サンドバッグは軽く3発打つだけで終了。通常は軽めでも数ラウンドはやるものだが、全部でわずか2分半ほどだった。
視察した井上の父・真吾トレーナーは「あれじゃわからない」と苦笑い。「思ったより大きいですね。シャドーはあれだけでもしっかりしているのはわかります。正統派では。流すにしてももう少しやると思っていました」と話した。
フルトンにとって今回は1年1か月ぶりの試合。当初は5月7日の予定だったが、井上が拳を痛めて延期された。アマチュア時代は米国外で試合経験があるが、プロでは22戦目で初めて。日本が誇る最強モンスターの挑戦を受けるため、敵地に乗り込んできた。
「いつも通り変わらない気持ち。いつも通りだ。プロでは初めてだけど、アマ時代は国外でやっているのでアウェーだから何かあるとは思わない。行った先々でいろんなことを感じたい」
プロ19戦目の2021年1月にWBO王座を奪取。同11月にブランドン・フィゲロアからWBC王座を奪い、2団体統一を果たした。昨年6月には元同級2団体統一王者ダニエル・ローマン(ともに米国)戦で両王座を防衛。身長169センチは井上を4センチ上回る。現在4戦連続で判定勝ちするなど、高い技術力を誇る試合巧者だ。
井上は昨年12月にバンタム級で4団体統一。今年1月に王座を返上し、1つ重いスーパーバンタム級に転向した。もともとの自身の体格を上回る相手が多い新階級への挑戦だ。
試合はNTTドコモの映像配信プラットフォーム「Lemino」で独占無料生配信される。
(THE ANSWER編集部)