「小さい頃から有言実行の子」 父が証言、19歳櫻井心那がもう叶えてみせた「10代で優勝」
女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディス最終日が2日、神奈川・戸塚CC(6605ヤード、パー72)で行われた。1打差の5位で出た19歳の櫻井心那(ニトリ)が、通算10アンダーで並んだ桑木志帆(岡山御津CC)とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、ツアー初優勝を飾った。時に280ヤード超えるドライバーショットを武器に、昨季下部ツアー5勝。来年にも米女子ツアー最終予選会受験を考えるニューヒロインは、今季国内ツアーをリードする選手たちの脅威になりそうだ。(取材・文=柳田通斉)
資生堂レディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディス最終日が2日、神奈川・戸塚CC(6605ヤード、パー72)で行われた。1打差の5位で出た19歳の櫻井心那(ニトリ)が、通算10アンダーで並んだ桑木志帆(岡山御津CC)とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、ツアー初優勝を飾った。時に280ヤード超えるドライバーショットを武器に、昨季下部ツアー5勝。来年にも米女子ツアー最終予選会受験を考えるニューヒロインは、今季国内ツアーをリードする選手たちの脅威になりそうだ。(取材・文=柳田通斉)
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PO2ホール目の第1打。櫻井はフェアウェーセンターに飛距離284ヤードのドライバーショットを放った。残り80ヤードは58度ウェッジでピン上2メートル半につけた。下りのライン。勝てば優勝の状況はわかっていながら、「いつも通り」を心掛けた。
「自分でも心臓の音がわかるくらいドキドキしていましたが、打ち出しとタッチだけを考えました」
カップにボールが吸い込まれると、脇を締めて右手でガッツポーズ。笑顔で拍手をしてくれる桑木とのハグで激戦を終えた。正規18ホールは6バーディー、2ボギーの68。17、18番の連続バーディーで桑木に追いつく勝負強さもみせた。
「今季に入って初めての優勝争いでしたが、昨年の(下部に相当する)ステップ・アップ・ツアーで5勝できた経験が生きたと思います。でも、(昨季の)初優勝の時と同じで『勝っちゃった』という感じです。表彰式の大きさ、ギャラリーの多さ、囲み取材とか規模が大きくて、いちいち感動しています(笑)」
2004年2月13日生まれ。スケールの大きさ感じさせる19歳だ。同組の桑木も飛ばし屋だが、その20ヤード以上前にボールを運び、短いクラブでピンを狙い続けた。アイアンショットの飛距離も凄まじく、180ヤードの5番パー3では、7アイアンでボールをピンに絡めた。「小3の時から飛距離に困ったことはありません」。今季に入ってさらに伸びたという。
「それが何で伸びているのかわからないんですよ。ウェートトレーニングもしたことがないですし。ただ、周りから『デカくなったね』とは言われます。確かに身長(公称166センチ)もまだ伸びている感じで、体重は3キロ増えました。めちゃ食べるからでしょうか」
ドライビングディスタンスは昨季245.44ヤード、今季254.30ヤード。しかし、キャディーを務めることもある兄・豪さんは「キャリーで260ヤードを遥かに越えることがあります」と証言する。幼少期から地元のコーチと築いてきた「トップでタイミングを取り、左サイドに低く長くフォローを出す」(櫻井)スイングが体の成長に合わせて威力を増している状況だ。