宮里藍サントリーレディス最終日

　女子ゴルフの国内ツアー・宮里藍サントリーレディス最終日が11日、兵庫・六甲国際GC（6513ヤード、パー72）で行われた。2位に5打差の単独首位で出た20歳・岩井千怜（Honda）が5バーディー、1ボギーの68で回り、大会記録の通算23アンダーで1か月ぶりの今季2勝目＆ツアー通算4勝目。2位に5打差で逃げ切り、初日から首位を譲らない完全優勝を果たした。大会アンバサダーの宮里藍さんは大会を総括。千怜を称えるとともに2年前に受けた衝撃的な出来事を明かした。観衆は3390人。

【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今　2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
（W-ANS ACADEMYへ）

　千怜は出だしの1番でバーディー。4番でも1つ伸ばしたが、5打差の2位で出た同じ最終組の申ジエが前半4バーディーの猛追で3打差に迫られた。千怜は10番ボギーで2打差。11番で申がロングパットを沈め、ついに1打差となった。それでも、千怜は12番のバーディーで再び2打差。14番もバーディー、申のボギーで4打差に突き放した。終わってみれば2位の申、山下美夢有に5打差の完全優勝だった。

　これまでの大会記録は12年キム・ヒョージュ、21年青木瀬令奈の17アンダー。今大会上位2人と大会後のメルセデス・ランキング上位3人には、8月の海外メジャー・AIG全英女子オープン出場権が与えられる。千怜と双子の姉・明愛はすでに切符を手にしていた7月の全米女子オープンに続き、姉妹揃って海外メジャー2試合の出場権を獲得した。

　表彰式にも出席した宮里さんは、その後会見で大会を総括した。主な一問一答は以下の通り。

――大会を振り返って。

「ちょっと天気の心配がありましたが、無事に完走できてホッとしています。大会記録が出て、優勝争いが熾烈でしたが、見ている方に楽しんでくださる熱いプレーが嬉しかったです。（会場は）ジュニアの人数も多い印象。そういう子たちに『ああいうプロになりたい』と思える瞬間になったのではないかなと思いました」

――千怜の優勝について。

「本当に強かったですね。初日は少しドライバーショットが曲がっていましたけど、リカバリーも含めてアイアンショットが素晴らしい。非常にバランスのいいスイングで、特にハーフショットが決まっていました。プレッシャーがかかるとそこが落ちてくるけど、そこで振り抜いて4日間戦い抜いた結果が23アンダーだと思います。本当に頼もしいですね」

――優勝スコアについて。

「伸ばし合いは伸ばし合いで難しい。どうしても自分でバーディーを獲らないといけないというのは、我慢することと別の苦しさがある。上位も下位も頑張れる状態にしたい。それでも、千怜ちゃんが凄かった」

――千怜はジュニア時代、2年前のこの大会で宮里さんと2ショット写真を撮ってもらったと。

「覚えています。それよりも、写真を撮る前に『LINEを交換してもらっていいですか』って。写真よりそっちが衝撃でした（笑）。（存在を）全然知らなかったんですけどね（笑）。カジュアルでイマドキの子だなって。でも、その後全く音沙汰がなくて（笑）。『なんで交換したんだろう』と思います。本当に壁がなく真っすぐな人という印象ですね」

――スコアが予想より出た。コース設定について。

「複合的な理由がある。でも、選手が頑張った結果なので、そこは全く否定しません。ただ、グリーンが柔らかくなると、ここまでスコアの出方が全く違うので勉強になりました。大会前から降水確率が高かったので、ピンを高台に切らざるをえない。そうなると受けのグリーンになってしまう。バーディーが出る予想はありましたけど、それでも予想を上回った。私も別の知識が必要だなと。雨が降っても、ピンを（端に）振っていいと思いました」