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加藤未唯、全仏制した混合ペア結成時に驚きの舞台裏 出場危機の窮地で「一緒に出ませんか」

テニスの4大大会・全仏オープンの混合ダブルスで優勝した加藤未唯(ザイマックス)。女子ダブルス3回戦での失格劇を乗り越え、ティム・プッツ(ドイツ)とのペアで自身初の4大大会制覇を成し遂げた。表彰式での加藤のスピーチ中には、プッツがマイクを持つ気遣いを見せて話題に。息の合ったプレーで栄冠を掴んだ2人だが、実は急造のペアだった。「誰もが予想しなかったグランドスラム優勝ペア」誕生の秘話を、プッツの証言とともにドイツ紙が伝えている。

加藤未唯【写真:Getty Images】
加藤未唯【写真:Getty Images】

相棒プッツから「ミユ、僕はティムと言います」

 テニスの4大大会・全仏オープンの混合ダブルスで優勝した加藤未唯(ザイマックス)。女子ダブルス3回戦での失格劇を乗り越え、ティム・プッツ(ドイツ)とのペアで自身初の4大大会制覇を成し遂げた。表彰式での加藤のスピーチ中には、プッツがマイクを持つ気遣いを見せて話題に。息の合ったプレーで栄冠を掴んだ2人だが、実は急造のペアだった。「誰もが予想しなかったグランドスラム優勝ペア」誕生の秘話を、プッツの証言とともにドイツ紙が伝えている。

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 失格劇を乗り越えた加藤に最後まで優しく寄り添った。加藤は表彰式で「英語はそれほど上手じゃないので」と準備していたメモを手にスピーチした。風があったのか、紙を両手で持てるようにプッツがマイクを持って加藤をアシスト。英紙「I」のジェームズ・グレイ記者が「ティム・プッツは本当にイイやつのようだ」とツイッターに投稿するなど話題となっていた。

 試合後も息が合った様子を見せていた2人だが、実は大会直前に結成された急造ペアだった。プッツの地元ドイツの一般紙「南ドイツ新聞」は「偶然のグランドスラム覇者」と題する記事を掲載。同紙によると、2人はそれぞれ別のパートナーと組む予定だったが、本来のパートナーの世界ランキングが低く、出場資格に達していなかったという。

 同紙は「窮地に立たされ、ある考えが浮かんだ」というプッツの証言を紹介。「僕らを合わせて登録すれば、試合に出られる」と考えたプッツが、「ミユ、僕はティムと言います。一緒に出場できるぐらいのランキングを持っている。一緒に出場しませんか?」と加藤を誘ったという。

「彼女は『はい』と答えた。こうして誰もが予想しなかったグランドスラム優勝ペアが誕生したのだ」と結成の経緯を伝えた同記事。急造ペアはその後、1週間半ほどはポジショニングや動く方向さえも話し合わないまま、コートに立って「どう動くか理解していった」という。

 加藤はアーディラ・スーチャディとのペアで出場した女子ダブルス3回戦、第2セット途中のプレーが途切れたタイミングで相手コートに返球。これがボールガールに直撃した。ボールガールは涙。加藤は歩み寄って謝罪し、一度は警告と判断されたが、対戦相手が執拗に抗議。最終的に裁定が変わり、失格となっていた。

 精神的に苦しい経験をした加藤を支えたプッツ。優勝後の表彰式では「最高でした。(加藤は)ここ10日間本当に大変だったよね。この優勝で元気を出してくれたらと思う」と加藤への労いを口にしていた。その後のTVインタビューでも「ミユと組めてよかった。アリガトウゴザイマス」と感謝の言葉を述べていた。

(THE ANSWER編集部)


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