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高校生で100m日本一になって4年 福島千里超えへ、大国アメリカに渡った御家瀬緑の決断

雨の降る決勝で御家瀬(左から2番目)は優勝にはわずかに届かなかった【写真:奥井隆史】
雨の降る決勝で御家瀬(左から2番目)は優勝にはわずかに届かなかった【写真:奥井隆史】

教えを完璧に身に着ければ「11秒08を狙えると言われている」

 世界のレベルを知るために海を渡った。スタートポジションからフィニッシュまで。体中の神経に気を配り、細かい技術を突き詰めた。「限界が凄く高いので上を目指せる。自分の基準が高まった感じがあります」。まだ理想の走りには程遠い。「それを求めることが今までと違う」。今大会もアシスタントコーチを帯同。成長の過程を語る声はどこか弾んでいた。

「自分の今まで知らなかったこともたくさんありました。『今までのこれが良かったんだ』というのも確認できる。正解を知ることができています。(教えを)完璧にできれば標準記録を狙えると言われている。それを目指したい」

 ブダペスト世界陸上の参加標準記録は11秒08。福島の日本記録より0秒13も速い。日本記録が生まれたのは、もう13年前だ。「できていないところがたくさんあるし、まだ教えられていない技術もある」。課題は伸びしろの証しだ。

 初めての世界大会となった昨年オレゴン世界陸上は、4×100メートルリレーでアンカーを務めた。43秒33の日本記録更新に貢献。今年は世界陸上のほか、アジア選手権、アジア大会も行われる。「今の時点で定着した技術はこのタイムが表している。まだまだですね」とこの日の悔しさを噛み締めた。

 今後は再び渡米する見通しで、その後はチームと欧州転戦。「個人種目の代表を狙って、世界の大会で自分の走りがどこまで通用するか確認して自分のスキルを高めたい」。新たな挑戦を続け、ブレークスルーを狙う。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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