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史上最もハイレベルな女子100m障害 女王・福部真子は12秒台連発で決勝へ「とにかく猪突猛進」

8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が2日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子100メートル障害準決勝では、27歳の日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)が12秒97(追い風0.4メートル)の組1着、全体トップで決勝進出。12秒73の日本記録を持ち、すでに参加標準記録12秒78を唯一突破しているため、3日の決勝で3位以内に入れば代表に内定する。

女子100メートル障害に出場した福部真子【写真:奥井隆史】
女子100メートル障害に出場した福部真子【写真:奥井隆史】

陸上・日本選手権

 8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が2日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子100メートル障害準決勝では、27歳の日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)が12秒97(追い風0.4メートル)の組1着、全体トップで決勝進出。12秒73の日本記録を持ち、すでに参加標準記録12秒78を唯一突破しているため、3日の決勝で3位以内に入れば代表に内定する。

 女王がトップを駆け抜けた。史上最もハイレベルの争いとなった女子100メートル障害。福部は目をつむり、祈るようにレーンに立った。同組の寺田明日香(ジャパンクリエイト)も12秒97だったが、1000分の1秒差でトップ通過。この日の予選は全選手唯一の12秒台となる12秒99(追い風0.4メートル)を出し、雨の中でも会場を沸かせた。

 寺田と青木益未(七十七銀行)の自己ベストはともに日本歴代2位の12秒86。寺田は5月21日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)でマークし、優勝で弾みをつけた。さらに4月末の織田記念国際を12秒97で制した田中佑美(富士通)は、セイコーGGPで自己ベスト12秒89の2位。清山ちさと(いちご)も12秒96を出し、12秒台の選手が5人も名を連ね、いずれも決勝に進出した。

 福部はスタート直前の心境について「ゲボが出そうでした」と苦笑い。「セイコーGGPから少しずつスタートの爆発力が出てきた。自分のものにできたり、できなかったりするから不安がある」と語った。

 大会前は笑顔を見せながら「心臓がバックバクで夜も眠れないくらい不安です」と告白。「勝手に自滅しそうなくらい自分で自分を追い詰める時もある。正直、レースから逃げたい(笑)。けど、こういう感情を味わえるのもほんの一握り。感謝しないといけない」と前を向いてレースに臨んだ。

 高校時代はインターハイ3連覇。以降は伸び悩んだが、26歳で迎えた昨年日本選手権で涙の初優勝を飾った。7月のオレゴン世界陸上でも準決勝進出。最大の目標は来年パリ五輪で日本人初の決勝進出だ。冬は肉体改造で筋力アップに成功したが、大きくなった体格との感覚のズレを合わせるのに苦心してきた。

 セイコーGGP後は負荷が大きく、関節痛もで出たが「みんなでこうやって走ることが良い練習になる。やっと冬季の体から脱してきた」と手応え。決勝へ「自己ベスト付近が狙えればいい。順位を意識でいるならしたいけど、できる状態ではない。とにかく猪突猛進です。その爆発力が後半の加速力に繋がる」と頂上決戦を見据えた。

(THE ANSWER編集部)


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