国内メジャー初戦・ワールドレディスサロンパス杯

　女子ゴルフの国内メジャー今季初戦・ワールドレディスサロンパス杯は7日、茨城GC西C（6780ヤード、パー72）で最終日が行われた。2打差の首位で出た吉田優利（エプソン）が3バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバーでメジャー初優勝を果たした。21年9月のゴルフ5レディス以来、1年8か月ぶりのツアー通算3勝目。“プラチナ世代”の23歳にとって待望の瞬間となった。会見では「年間3勝以上できるように、シーズン長いので頑張りたい」と喜びと目標を語った。

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　1番パー4で4メートルのバーディーパットを沈める最高のスタート。観客の拍手に軽く手を上げて笑顔を見せた。その後は耐えるゴルフが続き、一時は2位に1打差と迫られるなど痺れる展開に。それでも17番パー5の第3打でピンそば1.5メートルにつけるスーパーショットを披露。会心のバーディーで優勝をたぐり寄せた。

　会見場で報道陣から拍手を受けた吉田は「悪天候の中、上手く耐えられた一日だった」と振り返った。2021年に2勝をマークし、昨季も2位5度と優勝争いに顔を出したが、21年9月のゴルフ5レディス以来、ツアー優勝から遠ざかっていた。「3勝目まで結構長かったけれど、その分特別な試合で勝つことができた。今まで頑張ってきたことが間違ってなかったと思う」と充実の笑顔を弾けさせた。

　メジャーらしい難度の高いセッティングに加え、風に悩まされるゴルファーが続出。最終日は雨も降るタフなコンディションで、通算アンダーパーの選手は一人もいなかった。我慢のゴルフについて「自分のゴルフ力が試された試合で勝ててうれしい。改善点はあるので、明日から練習したい」と語った。

　吉田は古江彩佳、西村優菜ら実力者が揃う2000年度生まれの“プラチナ世代”。優勝後は、自身と同じく辻村明志コーチに師事する先輩・上田桃子ともハグを交わした。「（上田は）お手本。練習に向き合う姿勢も態度も、誰よりも素晴らしい。合宿も一緒で、人一倍練習している。あそこまでの領域に今はいけないと思うくらい、ゴルフとの向き合い方が圧倒的に素晴らしい」。尊敬する先輩の前での快挙に、喜びもひとしおだ。

　自身の理想は「プロゴルファーとしても、人間としても評価されたい」。ジュニア選手に憧れられるような、魅力的な人間になることが大きな目標だ。「桃子さんも凄くかっこいいし、色んな人も目標にしてきたが、自分は自分。他の誰でもない。私のブランドを確立していきたい」と将来を見据えた。

　ウイニングパットを沈めた後、涙は「出てこなかったですね（笑）」と笑顔で歓喜の瞬間を迎えた。「年間3勝以上できるように。シーズン長いので頑張りたい」。理路整然とした話しぶりに、女王の風格が漂っていた。