那須川天心「強い奴倒したい」 ボクサー初戦から一夜「昨日のために生きてきた」「休んで旅したい」
キックボクシング界で“神童”と呼ばれた那須川天心(帝拳)が9日、ボクシングの完勝デビューから一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナで行われた日本バンタム級2位・与那覇勇気(真正)とのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で3-0の判定勝ち(59-54、60-53×2)。ダウンを奪った完勝を振り返った。
一夜明け会見
キックボクシング界で“神童”と呼ばれた那須川天心(帝拳)が9日、ボクシングの完勝デビューから一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナで行われた日本バンタム級2位・与那覇勇気(真正)とのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で3-0の判定勝ち(59-54、60-53×2)。ダウンを奪った完勝を振り返った。
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那須川は初回から前に出る与那覇に対し、スピードを駆使しながらパンチを返す展開だった。2回、右フックでダウンを先取。再開後も手数を緩めず、中盤以降も打たれても前に出る与那覇に対し、冷静に隙を見てワンツーを叩き込んだ。4回にはカウンターの左を入れ、ぐらついたところですかさず猛ラッシュ。最後まで受けながらカウンターを入れる場面が目立ち、終始優勢だった。
1万2500人の観衆を沸かせた試合から一夜明け、那須川は会見。「おはようございます!」と元気よく会場入りした。ほとんどパンチをもらわず、綺麗な顔。「全てが違いました。ダメージの感じも違う。いつもは下半身、すねとか。今回、脚は痛くないし、顔もダメージは全くなく、ほぼダメージゼロで迎えられてホッとしている」と振り返り、前夜の様子を明かした。
「結局、あまり寝られなかった。前の試合も凄く連絡が来たけど、それと同じくらい来た。たくさんの連絡が来て凄い嬉しかったです。筋肉痛はないけど、ブロックの上から打たれたところが痛い。拳が少し炎症しているくらい。痛くはないけど、熱を持っていますね。今回はストレスが全くなかった。いつもは減量してめちゃくちゃ食いたい気分になる。コンビニでケーキを爆買いするけど、そういうのはなく日常に戻った感じです。
あとは意外とちゃんとボクシングができていた。練習通りに動けている。ただ、もっと攻められたし、こういうところでパンチを打とうとか、課題を見つける目線で動画を見ました。もっと拳にパワーを乗せる打ち方をやってきたけど、半歩踏み込めなかった。経験がない。経験を積めばもっと安心して試合ができる。やってきたことは間違っていない。確信になりました。それをプラスしていけばよりいいものができる」
格闘技戦績は47戦全勝(キックボクシングは42戦)を残し、ボクシングに転向。元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナーに師事してきた。「一番はホッとした。転向会見からもずっと昨日のために生きてきたので。キックの時は試合まで期間に1、2か月集中する。今回は半年間ずっと集中していた。その中で結果を残せて、みんなの前で証明できたのがよかった」と笑顔。さらに初めてのボクシング興行について感じたことを明かした。
「全て任せてもらえた感覚。腹をくくってやっていた。一人の人として成長できた期間だったと思う。(人生を懸けて挑戦を)しがいがある。こうやって熱くなれるボクシングに感謝したい。まだまだデビューしたばかりですが、これからいろんなことがある。強くなっていくだけ。どんなストーリーがあるか楽しみ。見ている人と一緒に成長したいです。育成ゲームですね。RPGとして僕を楽しんでもらえれば」
試合後の控室ですぐに技術面の課題を反省し、シャドーもしていたという。今やりたいことについて「一回、ちょっと休んで旅でもしたいなと思います。ずっと集中していたので」。本田明彦会長はデビュー戦後、次戦は8回戦を想定していることを明かしていた。那須川は「とりあえずデビューしたので、強いやつと戦いたい。強いと言われている人を全員倒したい」とさらなる強敵を待ち望んだ。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)