ボクシングデビュー戦の那須川に判定負け

　キックボクシング界で“神童”と呼ばれた那須川天心（帝拳）が8日、東京・有明アリーナで行われた日本バンタム級2位・与那覇勇気（真正）とのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で3-0の判定勝ち（59-54、60-53×2）を収めた。格闘技で47戦全勝の戦績を残し、ボクシングに転向。異例の注目が集まったデビュー戦で日本ランカーと激突し、終始優勢の完勝だった。敗れた与那覇は試合後の会見で「無様に負けたなという感じです」と振り返った。

　デビュー戦の那須川を相手に初回から前に出た与那覇。しかし2回にダウンを喫した。スリップ気味だったためか、やや納得のいかない仕草を取った。右目の上をカットし、4回には猛ラッシュを浴びたが何とか耐える。6ラウンドを戦い抜いたが、有効打は少なく判定で0-3の完敗を喫した。

　会見に現れた与那覇は「（違いは）クリンチ際、揉み合いのところにあったと思う。キックでそういうところに慣れているんだろうと。予想以上に強いと感じた」と天心の強さを表現。「スピードはもちろんあるが、打ち分けとか技術も思った以上にあるなと思った」と称賛した。

　ダウンについては「あれはしゃーないですね。避けながらやられた。ルール上ダウンでしょうがない」と振り返り、那須川のパンチ力は「キレで倒す感じ。タイミングでもらったら危ないと思ったものもあった。結構KOしていくんじゃないですかね」と話した。「吸収力が凄いので、どんどん上に行くと思う」とも称えていた。

　注目の一戦で判定負けとなった。「試合しても勝たないと意味がない。勝ちたかった。勝ったら注目を浴びるし、負けたらこういう立ち位置になるので仕方ない」。32歳の日本ランカーは「どこかでくらわしてやろうという思いでいたが、あっという間に時間が過ぎた感じ。自分が全然力が及ばなかった。自分にただただ落胆している」とうなだれた。