「11x-10の悲劇」に散ったあの夏 浦和学院が「エースの涙の182球」以来の甲子園
あっけなく終止符が打たれた決着、小島は号泣「自分が試合を壊してしまった」
しかし、勝負はあっけなくついてしまう。悔し涙を流しながらベンチで小島が見守る中、バトンを受けた3年生右腕・山口瑠偉が仙台育英の1番・熊谷敬宥(現阪神)に左越え二塁打を浴び、一気に一塁走者が生還。スコアボードに刻まれた「11x-10」。あまりに悲劇的な形で、2時間59分に及ぶ死闘に終止符が打たれたのだった。
試合後、最後まで投げ抜くことができなかった小島は「自分が試合を壊してしまった」と泣き崩れた。熱中症のような症状が見られ、報道陣の取材も椅子に座りながら受けたほど。現在は早大の主将としてプロの注目を浴びているが、あの死闘は今なお、高校野球ファンの間で「甲子園史に残る名勝負」として語り草となる一戦だ。
両軍合わせて21安打21得点を記録した「11x-10の悲劇」以来、5年ぶりに帰ってくる夏の甲子園。先輩たちが涙を残した去った聖地で、後輩たちはどんな躍動を見せてくれるのか。第100回の記念大会に、熱い夏が訪れそうだ。
(THE ANSWER編集部)