ボクシング世界戦で「故意にマウスピース吐いた」と論争発展「15秒与えた審判は牢屋に…」
ボクシングのWBO世界スーパーフェザー級王座決定戦が3日(日本時間4日)、米アリゾナ州グレンデールで行われ、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)がリアム・ウィルソン(豪州)に9回TKO勝ち。3階級制覇を飾った。一方、敗れたウィルソンは4回で奪ったダウンで明らかに時間稼ぎしたナバレッテに対する審判の対応に怒りを露わに。結果的に回復を許し、大逆転負けの引き金となった。この騒動はボクシング界からさまざまな声が上がった。
WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦
ボクシングのWBO世界スーパーフェザー級王座決定戦が3日(日本時間4日)、米アリゾナ州グレンデールで行われ、エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)がリアム・ウィルソン(豪州)に9回TKO勝ち。3階級制覇を飾った。一方、敗れたウィルソンは4回で奪ったダウンで明らかに時間稼ぎしたナバレッテに対する審判の対応に怒りを露わに。結果的に回復を許し、大逆転負けの引き金となった。この騒動はボクシング界からさまざまな声が上がった。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
問題となったのは4回。ナバレッテはウィルソンの左フックを浴び、さらに猛ラッシュを食らってダウン。ロープを掴んで立ち上がったが、ダメージは色濃く、カウント6秒あたりで口からマウスピースを吐いた。本人はそれを拾わず、代わりに拾った主審に促されて再度くわえたが、その間も時間は経過。試合再開まで27秒を要した。ここを凌いだナバレッテは徐々に回復。逆に9回にウィルソンにラッシュを浴びせ、レフェリーが試合を止めてTKO勝ちとなった。
地元メディアの報道によると、敗れたウィルソンは納得がいかず、試合後は「(4回のダウンは)彼は完全に弱ったように見えた。冷静さとメンタルを取り戻し、回復するために時間稼ぎをするのは恥ずかしい」とナバレッテを糾弾。陣営もノーコンテスト(無効試合)を要求。「彼(のタイトル)は奪われた。オーストラリア選手こそが新たな世界チャンピオンである」と声明を出し、判定を覆すことを求めて正式に抗議する展開となった。
これを受け、ボクシング界からさまざまな声が上がった。海外ファンの間では「なんというカムバックなんだ」というナバレッテへの称賛から「ナバレッテに15秒カウントを与えた審判は牢屋に入れるべき」とレフェリーへのクレームも。
当然、地元メディアはウィルソンを擁護し、米スポーツ専門局「FOXスポーツ」豪州版は「明らかに追い詰められていたにもかかわらずナバレッテは足運びが遅いだけでなく、わざとマウスピースをキャンバスに吐き出した。明らかな時間稼ぎだった」とナバレッテを批判。「審判のフローレスが試合再開までの27秒のカウントを止めたのは、このマウスピース騒動中だった」と再開まで時間をかけたレフェリーに注文もつけた。
豪州放送局「ABCスポーツ」のスポーツキャスター、コルビン・ミドルマス氏は、自身のツイッターで「ナバレッテはマウスガードを吐き出すという老獪な動きにより、30秒を手に入れて戦いにとどまった。第5ラウンドで立ち上がり、自分らしい瞬間を得た」と評した。
一方で、米著名ボクシングジャーナリストのダン・ラファエル氏は別の角度から指摘した。「4回のマウスピース・ロングカウントにツイッター上では文句が出ているが、そのラウンドでウィルソンはグラブをキャンバスにつけたナバレッテを明らかに殴っており、審判は注意も警告も与えていない」。ウィルソンがナバレッテがすでにダウンとなった状態で攻撃していたことを挙げ、「しっぺ返しだよ」と因果応報であるとつづった。
ナバレッテが3階級制覇の偉業を達成した試合は思わぬ論争を呼ぶことになってしまった。
(THE ANSWER編集部)