3P4本を含む今季最多17得点 琉球の松脇圭志、川崎戦で躊躇なくシュートを打てた理由
桶谷HCも期待「これから彼のいいところがさらに出てくる」
松脇は今季、三遠ネオフェニックスから琉球に加入。桶谷HCは松脇を獲得した経緯について、このように説明する。
「今シーズンは3ビッグ(3人のビッグマンが同時起用される編成。主に帰化枠+外国籍2人で構成される)がないので、彼らに簡単にイニシアティブを取られない選手を求めました。松脇選手はサイズはないけれどフィジカルが強いですし、アウトサイドのプレーも強い。チームに足りない点を補強できる選手として、こちらからアプローチして獲得しました」
中学生の頃から体は太かったが、近年はバスケ選手というよりもラグビーや格闘技の選手を想起させる屈強なフィジカルを備えている。3人制でのプレー経験を経たことでビッグマンとのマッチアップの抵抗は薄れ、「むしろ1人で『守ってやる』という意識が強い」と言う。この試合でも206センチのマイケル・ヤングジュニアを1対1で抑え込み、駆けつけた琉球ブースターを沸かせた(ちなみに、もともとトレーニング熱心ではあったが、琉球に加入してその量がさらに増えたそう)。
大混戦の西地区で、琉球は現在4位。チャンピオンシップ出場へ向けて、1戦1戦がシビアな戦いとなっていくが、桶谷HCは「チームに慣れ、これからは彼のいいところがさらに出てくるんじゃないかと思う」と松脇の活躍に期待を寄せる。
松脇自身は、後半戦に向けた自身の展望について、以下のように語った。
「今日みたいなプレーを常にできるよう心がけることが大事になってくると思いますし、3ポイントを止められた時は相手を崩すようなプレーをしたり、ハンドラーとしてアシストを増やしたりということも求められると思います。僕がコートに立つことで……流れを変えるというか。勝っているなら流れをもっと良くし、負けていたら流れを変えられるような選手になりたいなと思っています」
琉球は田代直希や今村佳太ら多数のウイングプレーヤーを抱えているが、松脇の持つスペシャルな持ち味は、彼らの中にあっても強い輝きを放っている。クライマックスに向けて足がかりは築いた。ステップアップした松脇のさらなる躍進に期待したい。
(青木 美帆 / Miho Aoki)