「自尊心が傷つくから言いたくないが…」 W杯で韓国が痛感した日本サッカーとの差とは
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)で2大会連続で16強入りした日本。FIFAによる最終成績は9位となり、次大会まで森保一監督の続投も決まるなど、躍進が際立った。一方、3大会ぶりに16強進出した同じアジアの韓国は最終成績が16位。同じステージ敗退ながら明暗が分かれる結果となった。韓国国内のサッカー関係者やメディアでは、大会直後にかけ、日本と差が生まれた理由や課題などの意見が続々と上がっている。その内容を改めて振り返る。
同じ16強ながら明暗が分かれた日本と韓国の評価
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)で2大会連続で16強入りした日本。FIFAによる最終成績は9位となり、次大会まで森保一監督の続投も決まるなど、躍進が際立った。一方、3大会ぶりに16強進出した同じアジアの韓国は最終成績が16位。同じステージ敗退ながら明暗が分かれる結果となった。韓国国内のサッカー関係者やメディアでは、大会直後にかけ、日本と差が生まれた理由や課題などの意見が続々と上がっている。その内容を改めて振り返る。
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「今や日本は韓国より進んでいる」。そう率直に感想を述べたのは、2010年南アフリカ大会で韓国代表を率いたホ・ジョンム元監督だ。「東亜日報」のインタビューに答えた同氏が強調したのは、日本が育成年代から長期的な強化策を立てていること。「気乗りはしないが、日本の方が上手いということを認めなければならない」と指摘。「ファンはあまりに期待が大きく、勝敗も重要だ。しかも韓日戦だと……」と目先の結果にとらわれてしまう韓国の世論に警鐘を鳴らした。
そして、このインタビューを担当した記者も同紙のコラムで「私が一番聞いて驚いたのは、ひどくプライドが傷つくので言及したくないが、今や日本サッカーが私たちより強いということだ」と言及。ホ氏は高校年代の強化の差が顕著であるデータも挙げながら「負け続ける韓日戦を見るかもしれないと、ゾッとする。いつか日本がW杯8強や4強に進出するのを羨み見物するだけになりたくないのなら、日本が今のように良くなった過程は必ず学ぶべきだ」と訴えた。
こうした日本との差を指摘する声は選手自身からも上がった。「中央日報」によると、韓国代表として今大会プレーしたDFキム・ミンジェは、移籍金の高さなどの問題からKリーグから欧州移籍する際のハードルが高いことに言及。「日本が羨ましい」と率直に語り、「日本には欧州選手が多く、競争力がある。実際、比べ物にならない」と話し、プレー環境に課題があることを指摘した。記事では、今大会の欧州組は日本が19人、韓国が8人と半数以下だったことを伝えている。
反対に、国内から“流出”を危惧しているメディアもある。「スポーツ朝鮮」は全北現代のソン・ボムグンが今季からJ1湘南に、18歳の逸材パク・ウィジョンが高卒でJ1鹿島に加入することに触れた。これにより、GKがJリーグだけで5人、中東で1人プレーすることに。欧州への移籍は難しいにも関わらず、待遇面からJリーグに次々と流れてしまうことを挙げ、「相対的にKリーグの競争力は落ちる。Jリーグのマネーパワーに流出を為す術もなく防げずにいる」と課題を明らかにした。
参加国が48となる次回26年大会はアジア枠がさらに増えるものの、3大会ぶりの16強進出を果たしてなお、韓国は自国の未来に危機感を募らせているようだ。
(THE ANSWER編集部)