世界バンタム級4団体王座統一戦

　ボクシングのWBAスーパー＆IBF＆WBC世界バンタム級（53.52キロ以下）3団体統一王者・井上尚弥（大橋）が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー（英国）との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒KO勝ちした。完敗したバトラーは「臆病な奴だと思われたくなかった」と会見で自身の積極的な姿勢を強調。スーパーバンタム級を見据える井上に「ディフェンスに関しては一度考えた方がいいんじゃないか」と“助言”した。

　井上にはノーガードで誘われるなど、試合中に挑発されながらも終始、亀になってガードを固めて戦ったバトラー。11回、ロープに詰められ、ボディー、フックを浴びてダウン。立ち上がれず、敗北が決まった。試合後は井上を素直に称える姿も見せていた。

　会見でバトラーは「守りを固めていこうとは思わず、積極的に戦っていきたいと思った」と戦前の狙いを説明。「臆病な奴だと思われたくなかったので、戦ってショットを打って行きたいと思っていたが、結果的にダウンさせられた。右で来た時には反対側で対応するなどということをしたが、うまくいかなかった」と振り返った。

　井上は試合後、1階級上のスーパーバンタム級への転向を見据える発言をしたが、バトラーは井上のディフェンス力について問われると「彼はそもそもパンチ力が強いというのがあり、ディフェンスは後から来ているイメージ。バンタム級の中では通用していたので、（井上は）ディフェンスについては若干、無知である部分があったと思う」と分析した。

　さらに「これからウエイトを上げて、スーパーバンタムなら厳しくなってくると思う。ディフェンスに関しては一度考えた方がいいんじゃないかなと思う」と“助言”を送っていた。