井上尚弥「最高の日になりました!」 余裕の挑発連発で4団体統一の念願成就、Sバンタム転向も宣言
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙を成し遂げ、歴代の名だたる伝説的ボクサーたちと肩を並べる大偉業を達成。バンタム級完全制覇で真の階級No.1を証明した。
世界バンタム級4団体王座統一戦
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙を成し遂げ、歴代の名だたる伝説的ボクサーたちと肩を並べる大偉業を達成。バンタム級完全制覇で真の階級No.1を証明した。
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歴史的快挙を達成した井上は、4本のベルトを持ち、高らかに雄叫びを上げた。
「皆さん、ありがとうございました! 4団体統一王者になりました!」
続けて「この4年間、凄く遠回りした気もするけど、バンタム級最終章という12月13日、バンタム級のウェイトも楽ではない中、しっかりと仕上げて4団体統一という目標に向かって突き進むことできました。4団体統一を成し遂げた今、スーパーバンタム級への転向を考えています」と宣言した。
「もう、このバンタム級には思い残すことなく、史上9人目という数字が物語っている厳しさ、スーパーフライ級時代からこの目標を掲げてやってきた。団体の垣根という問題もあり、遠回りしたけど、この12月13日、最高の日になりました! ありがとうございました!」
試合については「今日ここ、日本で4団体統一の試合が実現したのもバトラー陣営のおかげ。感謝したい」と語り、「長引くだろうと予想していた試合。より多くのラウンドを見せることができて、長くボクシングができて満足しています」と語った。
今後に向けては「スーパーバンタム級には強豪がひしめいているので、今が2人の2団体統一という立場にいて、なかなか挑戦ができる機会はどうかと思うけど、2023年はそのトップ戦線に入っていきたいとそんな想いでいっぱいです」と誓った。
試合は立ち上がりの井上はパンチを打たずに圧力をかける展開。距離を測りながら、1分頃から左右のフックを繰り出していった。バトラーはガードを固めながら小刻みに体を揺らすが、井上は構わずガードの上から叩く。2回、左ボディーを軸にしたコンビネーションが炸裂。相手の反撃も上半身を引いて回避し、完全に主導権を握っていた。
3回、さらに距離を近づけてコーナーに追い詰めると、ストレートなど強烈な右を4発打ちつけた。アッパーやフック、ジャブを織り交ぜて揺さぶりをかけたが、4回も手数が少ないバトラーは足を使って距離を取る極端に防御重視の姿勢。6回、井上はサウスポーにスイッチし、2分を過ぎるとノーガードで誘って揺さぶる。それでも乗ってこない相手に笑みを浮かべた。
7回はノーガードに加えて頭を近づける。中盤には両手を広げ、“打ってこい”とアピールした。8回には後ろに手を組んでまで挑発。9回、小刻みなステップでリズムを変えると、10回には「尚弥」コールが会場に響いた。上半身が赤く腫れるバトラー。11回、ついに均衡を破る。ロープに詰めると、ボディー、フックを浴びせて倒し、1つ目のダウンで決着した。リング上で飛び跳ねて喜ぶモンスター。歴史がつくられた瞬間だった。
ボクシング界にはWBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体が存在し、井上は6月にWBO以外の3団体の王座を統一。4団体統一王者は世界でも過去8人しかおらず、これまで最も低い階級はバンタム級より4つ重いライト級だった。4人の王者から1本ずつベルトを奪った選手はおらず、これまでの3本をKOで奪った井上は、「4団体全KO奪取」という世界初の大記録が懸かっていた。
井上の防衛回数はWBAが8度目、IBFが6度目、WBCが初防衛。バトラーはWBOの初防衛に失敗した。
(THE ANSWER編集部)