井上は9月に米合宿、大橋会長が太鼓判「1.5倍強くなった」

　ボクシングのWBAスーパー＆IBF＆WBC世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥（大橋）が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー（英国）と4団体王座統一戦を行う。10日は神奈川・横浜市内のホテルで「NTTドコモ　Presents PXB WORLD SPIRITS」の会見に出席。陣営の大橋秀行会長は警戒心を露わにした。戦績は29歳の井上が23勝（20KO）、34歳のバトラーが34勝（15KO）2敗。

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　アジア人初、世界で9人目の4団体統一へ、陣営も気持ちを高ぶらせていた。大橋会長も井上とともに会見に出席。その後も取材に応じ、難敵バトラーについて印象を明かした。

「凄く紳士的ですね。練習を見ていても、今までの試合で見せていないものがある。強いです。持っているものがありますね。戦績以上に強いと思います。特に左。KO率は低いけど、パンチは強い」

　大橋ジムで公開練習などしてきた。同会長は「あとはフットワークが小刻みであまり大きく動かない。日本人にはあまりいないフットワーク」と特徴を分析。相手陣営は井上について「ディフェンスに弱点がある」と指摘してきたが、「子どもの時から（井上を）見ているけど、弱点という弱点は見たことがない。どういう弱点か見てみたいですね」と笑って受け流した。バトラーが足を使う展開が予想される中、こう明かす。

「12ラウンド隠れることはできない。尚弥もいろんなことを想定している。相手の出方に対して瞬時に判断すると思います。相手が出てきたらすぐに終わる」

　井上は9月に米ロサンゼルスで合宿。海外の猛者たちと拳を合わせ、大橋会長は「アメリカのスパーリング合宿、走り込み合宿を積んで、（前回6月の）ドネア戦の時より1.5倍強くなった印象があります。スピードとパンチ力があり、1ラウンドから火を噴くと思うのでそちらに注目してほしい」と太鼓判を押した。

　一方、井上も「技術がどうこうより、精神的にアメリカでスパーリングして、意味のあるトレーニングだった。1.5倍くらい強くなったと思う」と自信。技術戦が予想される中、ボクシングの魅力を存分に伝える気概を見せた。

「バトラーはドネアのスタイルと違い、12ラウンド使って戦ってくる選手。倒す準備ももちろん、長引いたとしてもそのボクシングに対応する準備をしてきた。KO決着であろうが、判定決着であろうが、ボクシングの素晴らしさを伝えられたら。12月13日は今までに見せたことのないボクシングをすることもあるとも思うし、すべてリングに上がってから直感力とひらめきで戦いたい」

　試合は「dTV」「ひかりTV」にて生配信される。井上が勝てばWBAは8度目（正規王座を含む）、IBFは6度目、WBCは初防衛。WBOのバトラーも初防衛戦となる。