最年少女王・山下美夢有、涙の最終戦V 来季目標は「今季の自分超え」「海外の試合優勝」
女子ゴルフの今季国内ツアー最終戦・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終日(6487ヤード、パー72)は27日、年間女王の21歳・山下美夢有(加賀電子)が通算15アンダーで並んだ勝みなみ(明治安田生命)とのプレーオフを制し、今季5勝目を飾った。史上16人目の年間メジャー2勝とともに、目標だった年間平均ストローク60台を69.9714で達成。19年に69.9399を記録した申ジエ(韓国)以来2人目、日本選手では初の快挙となった。最多年間獲得賞金も2億3502万967円で15年のイ・ボミ(2億3049万7057円)を上回り、来季の目標を「今年の自分を超えたい」「海外の試合で優勝」に設定した。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終日
女子ゴルフの今季国内ツアー最終戦・JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ最終日(6487ヤード、パー72)は27日、年間女王の21歳・山下美夢有(加賀電子)が通算15アンダーで並んだ勝みなみ(明治安田生命)とのプレーオフを制し、今季5勝目を飾った。史上16人目の年間メジャー2勝とともに、目標だった年間平均ストローク60台を69.9714で達成。19年に69.9399を記録した申ジエ(韓国)以来2人目、日本選手では初の快挙となった。最多年間獲得賞金も2億3502万967円で15年のイ・ボミ(2億3049万7057円)を上回り、来季の目標を「今年の自分を超えたい」「海外の試合で優勝」に設定した。(取材・文=THE ANSWER編集部・柳田 通斉)
初めてのプレーオフ。山下は緊張しながらも、目の前の一打に集中し続けた。そして、8メートルのバーディーパットを沈めた。
「(正規の18番と)同じフックラインでした。寄せるつもりが入った感じですが、ピンの上につけた方が上りになるという計算はありました」
冷静なマネジメントの上で、ベストを尽くしたショットとパット。勝負が決すると、目から涙があふれた。
「しっかり気持ちを切らさず、優勝を目指していたのでうれしいです。キャディーさんと一緒に獲った優勝だと思います。とにかく自分のリズムだけを意識していました」
今季5勝目。記録ずくめの優勝となったが、最もうれしかったのは、日本人で初めて平均ストローク60台をマークしたことだったという。そして、大会前日から現地入りしている家族に優勝を見せられたことも幸せに感じている。
「それが恩返しと思っていました。コーチの父は毎試合、いいところ、悪いところを見てくれる。そういうところが心強いですし、助かっています」
5歳でゴルフを始める際、父の勝臣さんも一緒にクラブを握るようなった。知識ゼロの状態から、書物や映像で情報を集め、「これはいい」と思ったものを長女の山下を含め、3人の子供たちに伝えてきた。そして、16年後、山下は国内女子ツアーの女王になり、さまざまな記録も作った。優勝が決まった瞬間、勝臣さんは「人垣で見られなかった」と苦笑いしたが、「これを目標に頑張ってきたので、うれしいですね」と実感を込めた。