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入江聖奈、全日本V2で現役引退 最終戦は壮絶打ち合いで完勝、カエル研究へ大学院進学

アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は27日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子フェザー級では、現役最終戦となった東京五輪同級金メダリストの22歳・入江聖奈が、日体大で1学年後輩の吉澤颯希(さつき)に5-0の判定勝ち。2年連続3度目の優勝で有終の美を飾った。

全日本選手権女子フェザー級で2年連続3度目の優勝を果たした入江聖奈【写真:浜田洋平】
全日本選手権女子フェザー級で2年連続3度目の優勝を果たした入江聖奈【写真:浜田洋平】

東京五輪金メダルの入江聖奈が有終の美、「もったいない」の声を振り切り引退

 アマチュアボクシングの全日本選手権最終日は27日、東京・墨田区総合体育館で各階級の決勝が行われた。女子フェザー級では、現役最終戦となった東京五輪同級金メダリストの22歳・入江聖奈が、日体大で1学年後輩の吉澤颯希(さつき)に5-0の判定勝ち。2年連続3度目の優勝で有終の美を飾った。

 入江が現役最終戦へ気合いを入れて臨んだ。リングサイドの日体大応援団と円陣を組んでからリングイン。初回は左ジャブ、左フックで距離を制す。2回も猛攻を仕掛け、綺麗なワンツーでスタンディングダウンを先取。右拳を突き上げ、再開後も手を緩めず、終了間際にも2度目のダウンを奪った。

 現役最後のラウンドは壮絶な打ち合いとなった。猛反撃に出る相手のフックを被弾。それでも、一歩も引かずに打ち返した。ワン、ツー、スリーと強打を叩き込み、3度目のスタンディングダウンを奪取。5-0の完勝を収め、会場から惜しみない拍手が注がれた。

 東京五輪後は日本女子初の金メダルの快挙に加え、カエル好きの明るいキャラクターでテレビ番組などに引っ張りだこ。しかし、「もったいない」「まだできる」の声を振り切り、ボクシングは大学で引退すると決めた。大学卒業後はカエルの研究のため、東京農工大大学院に進学する。今年9月に合格を果たしたのも、強い気持ちで猛勉強したからだった。

「気分で辞めると言ったわけではない。覚悟を持って辞めるので気持ちは変わらないです」

 最後の国際大会となった今月上旬のアジア選手権は準優勝。ホテルに帰り、ゲームをしていても悔しくて涙がこぼれた。2週間の短いスパンで今大会に出場。「引退のことはあまり考えないようにしています。なんか卒業式みたい。寂しさもあるし、次の道に進む希望のような感覚」と笑う。

 小学3年から始めたボクシング。無観客開催の東京五輪では生観戦できなかった両親も、この日は娘の雄姿を見届けた。「14年間、あっという間だった」。日本女子初の金メダリストは最後まで強さを見せつけ、グラブを吊るした。

(THE ANSWER編集部)


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