山下美夢有、父と一緒に始まったゴルフ人生 年間女王の裏に自ら実験台になった父の献身
女子ゴルフの国内ツアー・伊藤園レディスは13日、千葉・グレートアイランドC(6741ヤード、パー72)で最終日が行われ、2打差の2位で出た山下美夢有(加賀電子)が1バーディー、ボギーなしの71で回って通算12アンダーで逆転優勝を飾った。今季4勝目&ツアー通算5勝目。今季のメルセデス・ランキング(MR)トップが確定し、史上最年少21歳103日で「年間女王」に輝いた。長女の晴れ姿をロープ外で見守った母・有貴さんは涙し、父・勝臣さんは「まさかこんな形で決まるとは」と驚きを口にした。
伊藤園レディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー・伊藤園レディスは13日、千葉・グレートアイランドC(6741ヤード、パー72)で最終日が行われ、2打差の2位で出た山下美夢有(加賀電子)が1バーディー、ボギーなしの71で回って通算12アンダーで逆転優勝を飾った。今季4勝目&ツアー通算5勝目。今季のメルセデス・ランキング(MR)トップが確定し、史上最年少21歳103日で「年間女王」に輝いた。長女の晴れ姿をロープ外で見守った母・有貴さんは涙し、父・勝臣さんは「まさかこんな形で決まるとは」と驚きを口にした。
最終18番パー4。山下が3メートルのウィニングパットを決めると、勝臣さんと有貴さんは、そろって「やった~」と言って喜び合った。その後、取材陣に囲まれ「よくパットを決めましたね」と振られると、勝臣さんは「たまたまですよ」と照れ笑い。続けて「まさか、こんな形で(年間女王が)決まるとは」と実感を込めた。その横で、有貴さんは「ありがとうございます」と目に涙を浮かべた。
山下がゴルフを始めたのは5歳から。勝臣さんも同時にクラブを握り始めた。一緒にゴルフを学び、研究し、父が実験台として試した練習やトレーニング法を娘に勧め、ここまでたどり着いた。ツアールーキーだった2年前の夏には、娘のために約300万円の弾道計測器「トラックマン」を先行投資として購入した。
山下にとっては、勝臣さんが今も信頼できるコーチ。幼い頃から側で練習を見ているからこそ、勝臣さんは「ズレがあったら、すぐに分かりますし、修正できます」と言う。
現実に3週連続予選落ちで迎えた5月のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップを前に「スイングリズムが速い。トップで間を取る意識を」と助言。初のメジャー制覇となる今季初優勝に導いた。
山下は6月に2勝目を飾ってから、ツアー史上3位の13試合連続トップ10入り。安定したプレーを続けたが、10月のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースで予選落ちを喫した。「どうにも修正できなくなった」と嘆いたが、ここでも勝臣さんが救世主になった。
「(スイング軌道の)イントゥーインが強くなっているので、スイングアートを大きくして振りなさい」