伊藤園レディス初日

　女子ゴルフ国内ツアー・伊藤園レディス（6741ヤード、パー72）が11日、千葉・グレートアイランドCで開幕した。ツアー通算2勝の26歳・柏原明日架（富士通）は、5バーディー、1ボギーの68で回って4アンダーとし、4位で発進した。今季は不振でメルセデス・ランキング（MR）84位。6シーズン連続で守ってきたシード権の逸失危機にあるが、コーチである父の武道さんからの意外な提案で、復調のきっかけをつかんだことを明かした。

【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今　2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」（W-ANS ACADEMYへ）

　柏原のショットがピタリとついた。インスタートで後半の3番パー5から4連続バーディー。柏原は「全部、1メートル以内です」と胸を張った。

　今季は出場33試合で予選落ち14度、棄権2度でトップ10入りは1度もない。特に夏場は苦しく、「調子が悪くなくても、『どうせ、落ちてしまう』」とネガティブ思考になっていたという。

　状況を打破するため、コーチで父の武道さんとの試行錯誤が続いたが、9月下旬に武道さんが「森さんにアドバイスを求めては」と提案してきた。「森さん」とは、柏原と同学年の堀琴音が師事する森守洋コーチのことで、柏原は客観的な意見を求めるようになったという。

「親子ゆえに言えないこともあったのですが、森コーチのおかげで、頭の中でグチャグチャになっていたことが、クリアになりました」

　武道さんは、柏原が7歳でゴルフを始めた時からのコーチで、柏原も「ゴルフの知識がすごい」と表現する程の勉強家だ。だが、武道さんも堀をスランプから立ち直らせた森コーチを信頼し、柏原と一緒に学んでいるという。

　その上で、柏原は森コーチから渡された「切り返しの練習器具」を使った練習を繰り返すようになった。

「発売されて間もない器具ですが、ダウンスイングで（クラブが）背中側に寝るクセが修正されて、飛距離も伸びました」

　前週を終えてMRは84位。50位以内に与えられる来季シード権獲得には、今大会と次週の大王製紙エリエールレディスで優勝するしかないが、柏原は「とにかくしっかりやるしかないです」と前を見据えた。