「ゴルフ場を見ると涙が出て吐いて…」 金田久美子が壮絶なスランプ時代の苦悩を告白
SNSでバッシングを受けた時代も「凄く辛かった」
その最中、SNSに食事やファッションの画像を掲載すると、「こんなことをしているから勝てない」「もっと、練習しろ」などとバッシングにもあった。「天才少女」と言われた中学時代は「練習嫌い」だったが、プロの厳しさを知ってからは、ひたすら練習をしてきた。それを知らない人たちから、心ない言葉の数々を受けていた。それを思い出すと、目から涙があふれた。
「私の場合、その数がすごく多いので辛かったです。メンタルの調子がいい時は大丈夫なんですけど、ダメな時はかなりきました」
立ち直るには時間がかかったが、11年間帯同してくれているマネジャー、熱心なファンに支えられてきたという。
「私よりも私のことを信じてくれました。1年前に亡くなられたスタンレー電気の北野(隆典)社長にも、ずっと支えられてきました」
そして、本人も「もう1度優勝」を目標にあきらめず、クラブを握り続けた。
「SNSで『練習しないからだ』と言ってきた人たちに、『勝って、いつか証明したい』と思っていました。辛い時は『こんなの自分の描いたプロ人生じゃない』と思っていましたが。悔しかったですし、あきらめなくて良かったです」
天国に北野社長のもとには、「ちゃんと優勝の報告に行きます」と宣言した。そして、「3勝目に向けて、また頑張りたいです」。かつては「25歳で引退」と口にしたこともあったが、「まだ、やるでしょうね。納得できるまでやりたい。これでより一層できますし」と言った。
2017年を最後にシード権を失い、シーズンを終えるとツアー予選会(QT)に回っていた。しかし、この1勝で来季はそれをせずにツアーに出場できる。
「何より、そこがうれしいです。これからも常に上位で戦える選手でいたいです」
独特なファッションとメイクで「ギャルファー」の通称がつき、この日も背中に大きなドクロのデザインが施されたウェアを着ていたが、金田は「これからも、それは年相応に続けていきますよ。引退するまで」と言った。強さを取り戻した33歳。その存在感はさらに大きくなっていく。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)