なぜ、ダブルスコアの1週間後に敗れたのか 元代表主将が分析した日本敗戦の理由
ラグビー日本代表は16日、イタリア代表に22-25で敗れ、6月のテストマッチ3連戦の2戦目で今季初黒星を喫した。前回と何が違ったのか――。2011年ワールドカップ(W杯)で主将を務め、代表キャップ68を誇る菊谷崇さんに解説してもらった。
封じられたキック、11年W杯主将のレジェンド菊谷崇さんがイタリア第2戦を解説
ラグビー日本代表は16日、イタリア代表に22-25で敗れ、6月のテストマッチ3連戦の2戦目で今季初黒星を喫した。9日に行われた第1戦で34-17のダブルスコアで快勝していたイタリアが相手。日本は連勝を狙うべくスタメン15人中14人が初戦と同じメンバーで臨んだ。しかしこの日のイタリアは1週間前とは、まるで違うチームのようだった。第1戦ではキックを効果的に使い優位に立ったが、第2戦は前半4分のシンビン(10分間の一時退場)もあり、前半から相手ペースで、主導権を握られる展開だった。前回と何が違ったのか――。2011年ワールドカップ(W杯)で主将を務め、代表キャップ68を誇る菊谷崇さんに解説してもらった。
「イタリアは前回からかなり改善してきた。先週の試合を踏まえて、かなり日本のことを研究してきた印象です。キッカーへのプレッシャーが非常にきつくて、ディフェンスへの寄せも早かったですね。DFラインに穴ができてしまった。前回に関しては日本の狙いが上手く行った。イタリアは今回、そこをしっかりと対策してきた。前半の1本目のトライは日本のキックミスから取られてしまいました。日本も後半は巻き返しましたが、その差が結果に出ました」
初戦ではSO田村優のキックからかなりのチャンスが生まれたが、今回はそこを狙われた。日本のストロングポイントだった部分が、この日はイタリアにとっての狙い所になってしまったという。キックの数は大幅に減った。当然のことだが、研究してくる相手に対して、また別の引き出しを用意するのか、プレーの精度を高めるのか――。どう対応していくのかが来年に迫ったW杯に向けても課題になる。
「どうエリアマネジメントしていくのか。人を変えてやるのか。今日でいえば(後手に回った)前半の途中の時間帯をどう進めていくのか。そういう部分をどう改善していくのかですね。チームとしてやっていることは間違っていないですから。良い点もいくつもあった。最後まで諦めずに走れたこと。後半に出たインパクトプレーヤーが流れを作れたのは良かったと思います」