決勝12位田中希実が大粒の涙 「何の涙か分からない」と吐露、前夜から「恐怖があった」【世界陸上】
オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子5000メートル決勝では、田中希実(豊田自動織機)が 15分19秒35の12位となった。20日(同21日)の予選は組9着、全体14番手となり2大会連続の決勝だった。日本人初の個人3種目に挑戦した大会。自身最終種目を終え、異例の5レースを走り抜いたが、レース後は涙に暮れた。
オレゴン世界陸上
オレゴン世界陸上が23日(日本時間24日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第9日が行われた。女子5000メートル決勝では、田中希実(豊田自動織機)が 15分19秒35の12位となった。20日(同21日)の予選は組9着、全体14番手となり2大会連続の決勝だった。日本人初の個人3種目に挑戦した大会。自身最終種目を終え、異例の5レースを走り抜いたが、レース後は涙に暮れた。
レース後、ミックスゾーンに現れた田中は鼻をすすり、大粒の涙を浮かべていた。「昨日から何の涙かわからない涙がずっと出てきて……」と告白。そして、涙の理由について、こう明かした。
「自分でもまだ答えはわからないけど、せっかくの世界陸上。今までの世界陸上、五輪では収穫が得られた。タイムか順位かはついてきたけど、今回の世界陸上は目に見えてわかるタイム、順位が最後までついてこないまま終わる恐怖があったんじゃないかと思う。
それでも挑戦することはなぜか。自分がこういうことをやって初めて身をもって結果より過程が大事と胸を張って言えると思う。結果的に入賞などの結果が得られなくても、最後まで食らいつければ、胸を張って言えたかもしれないけど、途中で離されてしまった部分は全部が中途半端になってしまった悔しさがある」
前夜から“恐怖”で涙が流れるのは初めてだったという。「今までは調子が悪くて緊張して、結果が出せなかったらどうしようと泣くことはあった。でも、決して調子が悪いわけじゃない。自分の力が出しきれるかわからないと、涙が出てきたのは初めて」とも明かした。
悔しさの残るレースだった。400メートルの先頭は1分17秒97、800メートルは2分39秒94のスローペース。田中は5~10番手で様子を見る展開だった。田中は1秒90差の7分36秒88で2500メートルを通過し、縦長の集団に11番手でくらいついた。徐々にペースアップする先頭。田中は3000メートル手前で振り落とされた。
単独走となり、4000メートルは先頭に14秒76遅れる12分15秒45の13番手で通過。巻き返すことができないまま、今大会最終レースを終えた。フィニッシュ直後に倒れ込み、お尻をついて深呼吸。しばらく立ち上がれなかった。
2度目の出場となった今大会は800メートル、1500メートル、5000メートルと日本初の個人3種目に挑戦した。1500メートルは日本人で初めて準決勝に進出したが、組7着で決勝には残れず。過酷な日程となったが、疲労感については否定した。
「800メートルの時のように疲労感が凄くあったわけじゃない。(体を)試すのがレース前日にでいないので、疲労状態もよくわからないまま出た。レースの中で自分の体と相談した。でも、明確に入賞を目指して行かないと途中で疲労を言い訳にしてしまうので、入賞はずっと意識して走れた。でも、スローになった時、ペースが上がり出した時に体がついてこなかったのはあると思う。そこはまだ力不足だったかなと思います」
異例の挑戦に打って出た田中の夏が終わった。
(THE ANSWER編集部)