日本陸上界快挙の裏で… やり投げ決勝11位、「悔しい」とも言えない22歳武本紗栄の涙
オレゴン世界陸上が22日(日本時間23日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第8日が行われた。女子やり投げ決勝で北口榛花(JAL)が63メートル27で銅メダルを獲得した一方、初出場で日本勢11年ぶりとなる決勝進出を果たした22歳の武本紗栄(佐賀スポ協)は57メートル93で11位。「まだまだ世界に出ていくには弱い」と悔し涙で振り返った。
オレゴン世界陸上
オレゴン世界陸上が22日(日本時間23日)、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで第8日が行われた。女子やり投げ決勝で北口榛花(JAL)が63メートル27で銅メダルを獲得した一方、初出場で日本勢11年ぶりとなる決勝進出を果たした22歳の武本紗栄(佐賀スポ協)は57メートル93で11位。「まだまだ世界に出ていくには弱い」と悔し涙で振り返った。
初出場の世界陸上。世界の12人に残り、戦った武本はミックスゾーンで涙を浮かべた。
「初めての世界陸上でファイナルにいけたので成長したなというのはあったけど、やっぱりファイナルに行くだけじゃなく、戦えないと。まだまだ世界に出ていくには弱いなと思った。本当に悔しいと言えないというか、戦えていないのでそんなに悔しがれない」
率直な想いを吐露した。2投目に57メートル93をマークして一時は8位に食い込む健闘を見せたが、その後は記録を伸ばせなかった。結局、他の選手に抜かれて11位。4投目以降には残れず北口の応援に回った。
そんな中で、収穫もあった。「今年に入って投げを変えて、自分流ではダメだなというところがあった。海外の人の(投てきの際の)足の使い方などはそこでしか見られないので、“今がチャンスや”と思ってしっかり見ました」と貪欲に技術を吸収した。
「私はあまりパワーがないので、(強化から)逃げてきたところに直面するのは今日だったんだなと思って。また帰って頑張ります」
尼崎高(兵庫)3年のインターハイ&国体、大体大4年のインカレで優勝。世代トップクラスを走ってきた22歳は、この春に大学を卒業したばかり。明るく染めたヘアスタイルは夏のオレゴンの日差しによく映えた。
来年にあるブダペスト世界陸上、そしてパリ五輪へ。成長の余白は十分に残されている。
(THE ANSWER編集部)