陸上日本代表、イチロー流の精神で世界陸上へ 過去最多68人「笑われてもいいから挑戦を」
15日に開幕するオレゴン世界陸上の日本代表結団式が7日、オンラインで行われた。過去最多68人の選手団のテーマは「チャレンジ」。野球界のレジェンド・イチロー氏の魂をもとに躍進を目指す。また、男子主将に走り幅跳びの橋岡優輝(富士通)、女子主将にやり投げの北口榛花(JAL)が就任することが発表された。
オンラインで結団式、主将は走り幅跳び橋岡優輝&やり投げ北口榛花
15日に開幕するオレゴン世界陸上の日本代表結団式が7日、オンラインで行われた。過去最多68人の選手団のテーマは「チャレンジ」。野球界のレジェンド・イチロー氏の魂をもとに躍進を目指す。また、男子主将に走り幅跳びの橋岡優輝(富士通)、女子主将にやり投げの北口榛花(JAL)が就任することが発表された。
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初出場46人というフレッシュなメンバーで世界に挑む、陸上ニッポン。監督を務める日本陸連の山崎一彦強化委員長はテーマに定めた「チャレンジ」について、イチロー氏が世界記録となる日米通算4257安打を達成した日、試合後に残したコメントを動画で紹介した。
「子供の頃から人から、笑われてきたことを達成してきた自負がある。小学生の頃に野球を毎日練習して、近所の人から『アイツはプロにでもなるのか』と笑われ、悔しい想いもした。でも、プロ野球選手になった。メジャーに挑戦し、『首位打者になりたい』と言った時も笑われた。でも、2度達成することができた。僕には人に笑われて悔しい歴史がある。これからもそれをクリアしていきたいと思う」
これを踏まえ、山崎委員長は「最初はイチロー選手も笑われた。私たちも笑われることはある。でも、高い目標を言って笑われてもいいから、自分への挑戦をしてほしい。そのためにパーソナルベストを目標にしてもらいたい」と意図を説明。今大会は競技場や宿舎が従来の国際大会と仕様が異なる点も多いが、「自己肯定感を持つこと」「やりたい、やってみるという精神を持つこと」とエールを送った。
また、女子100、200メートル日本記録保持者の福島千里さんのほか、大会を中継するTBSでメインキャスターを務める織田裕二さん、中井美穂さんからの激励メッセージが寄せられた。織田さんは「プレッシャーがかかっている人も多いかもしれない。陸上が好きだった子供の頃、真っ暗になっても走り回って、あの選手に勝ってみたいとやっていた気持ちを思い出してほしい。世界最高峰の舞台にあなたも選ばれた。純粋に楽しんでください」と力強く選手たちの背中を押した。
結団式では男子主将に走り幅跳びの橋岡、女子主将にやり投げの北口となることが発表された。式後、オンライン取材に応じた橋岡は「主将は僕自身、驚いている。ちゃんとやっていけるか不安はあるけど、これだけ多い日本選手団なので、周りに支えてもらいながら気負わずにやっていければ」と言い、さらに「まずは僕自身が楽しむこと。2日目に(走り幅跳びの)決勝があるので、前回大会のドーハより良い結果を出して、流れを持ってきたい」と意気込んだ。
■日本陸連・尾縣貢会長「早いもので、東京五輪からほぼ1年。無観客の国立と札幌で皆さんが心躍る活躍を見せてくれ、本当に素晴らしかった。スポーツの価値を再び示す活躍だった。陸上界は今、新たなステージに行こうしている。皆さん全員がチャレンジャーとなり、思う存分に突き進んでほしい。初出場の選手は結果を機に気にしすぎることなくすべてを出し切ること。経験者の選手はさらなる高みを目指すこと。誰もが憧れる日本代表の姿を見せてほしい」
(THE ANSWER編集部)