桐生祥秀、組4着で「恥ずかしい」薄氷決勝 他組を待つ間は「上回らないでくれと…」
7月のオレゴン世界陸上の代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が9日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。男子100メートル準決勝では、2組に登場した前年王者の多田修平(住友電工)が10秒41、前年2位のデーデー・ブルーノ(セイコー)が10秒25(無風)でまさかの敗退となった。3組に登場したサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)は10秒04(追い風0.8メートル)で全体1位。世界陸上参加標準を突破した。
陸上・日本選手権が開幕
7月のオレゴン世界陸上の代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が9日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。男子100メートル準決勝では、2組に登場した前年王者の多田修平(住友電工)が10秒41、前年2位のデーデー・ブルーノ(セイコー)が10秒25(無風)でまさかの敗退となった。3組に登場したサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)は10秒04(追い風0.8メートル)で全体1位。世界陸上参加標準を突破した。
2組に登場した多田は得意のスタートから伸びを欠き、10秒41(無風)で組5着となった。10秒25で3着だったデーデーとともに準決敗退となった。準決勝1組に登場した桐生祥秀は爆発力を欠き、10秒24(追い風0.5メートル)で組4着。タイムで拾われ、ヒヤヒヤの決勝進出となった。10秒13で組1着となった小池祐貴、3組で10秒04で組1着となったサニブラウンは順当に駒を進めた。
桐生は「準決勝をギリギリで通って、こういう気分になるとは思っていなかった。恥ずかしいけど、ホッとしています」と安堵。「結果を待っている時は『上回らないでくれ』と思っていた。そういう思考になってしまったことを反省しないといけない。今日は自分のダメな部分が気持ちに出た」と振り返った。
自己ベスト9秒98の桐生は、4月の出雲陸上決勝で右太腿裏に違和感を覚えた。同月の織田記念国際、5月のセイコー・ゴールデングランプリは出場回避。回復に専念し、今大会は約1か月半ぶりのレースだった。「(怪我の)怖さはない。自分が走れていない」とし、こう続けた。
「予選もですが、試合勘が取り戻せていない。予選もダラダラしていて、もうちょっと行っていると思っていたけど、感覚が違った。モタモタしている部分があって、本来なら4~50メートルでトップスピードが上がるけど、上がってこなかった。一晩で何が違うか考えたい」
予選はサニブラウンが今季日本勢最高の10秒11(無風)、小池が10秒24(向かい風0.8メートル)、桐生が10秒29(追い風0.8メートル)、多田が10秒32(向かい風0.2メートル)だった。日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)は、昨年10月に右膝手術を受けた影響で出場回避。ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)も4月に交通事故に巻き込まれた影響で欠場した。
この種目で大会前までに参加標準を切っていた選手はいなかった。桐生は世陸内定とともに2年ぶり3度目の優勝が懸かっている。
(THE ANSWER編集部)