フィギュア年齢制限 15→17歳引き上げにロシア重鎮は反発「彼らは演技させたくない」
国際スケート連盟(ISU)は7日、フィギュアスケートのシニア大会の年齢制限を15歳から17歳以上に段階的に引き上げると総会で決定した。これに対し、大国ロシアからは反発の声も。重鎮コーチは「彼らはロシアの子に(シニアで)演技をさせたくありません」などと語ったという。母国メディアが報じている。
ISUはシニア大会の年齢制限を17歳以上に段階的引き上げ
国際スケート連盟(ISU)は7日、フィギュアスケートのシニア大会の年齢制限を15歳から17歳以上に段階的に引き上げると総会で決定した。これに対し、大国ロシアからは反発の声も。重鎮コーチは「彼らはロシアの子に(シニアで)演技をさせたくありません」などと語ったという。母国メディアが報じている。
ロシアは18年平昌五輪で当時15歳のアリーナ・ザギトワが金メダルを獲得。今年2月の北京五輪でもROC(ロシア・オリンピック委員会)として出場したカミラ・ワリエワが15歳にして優勝候補と注目を集めていた。他にも若き才能を数多く抱えるが、ロシアメディア「championat.com」は「ロシアに対する相も変わらぬ攻撃? フィギュアスケートで年齢制限が引き上げられた」との見出しでISUの決定について報じている。
記事では「この改正で一番損害を受けるのは才能豊かなトゥトベリーゼ氏の教え子だ」と、名伯楽として知られるエテリ・トゥトベリーゼ氏の指導を受ける多くの選手が影響を受けると指摘。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ISUはロシアとベラルーシの選手を世界選手権などから除外しているが、その件も含め「すべてロシアにとって有利でない」としている。
ロシアの重鎮タチアナ・タラソワ氏は「彼ら(ISU)は、ロシアに男女ともに多くの若いスケーターたちがいるのを見ています。彼らはこの子たちに(シニアで)演技をさせたくないのです」と同国メディア「マッチTV」で語っていたとされている。
また、トリノ五輪アイスダンス女王タチアナ・ナフカ氏は同国紙「スポルトエクスプレス」に対し「もちろん、年齢制限引き上げの原因は我々の女子スケーターたちです。もしアメリカにも、全ての大会で勝てるチャンピオン少女たちが居たら、この問題は検討もされなかったでしょう」と語っているという。
ナフカ氏は「これは同時に良くも悪くもあります。一方では、ケガの可能性をなくし、子供たちの精神をゆがめませんが、他方では少女たちから五輪チャンピオンになるチャンスを奪います」とメリットとデメリットの両面に言及している。
(THE ANSWER編集部)