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6連勝でB1制覇、“4位”宇都宮がCSで変貌した理由 MVP比江島慎を覚醒させた4月の1敗

優勝が決まった瞬間、比江島慎は田臥勇太と抱き合い歓喜の涙【写真:B.LEAGUE】
優勝が決まった瞬間、比江島慎は田臥勇太と抱き合い歓喜の涙【写真:B.LEAGUE】

4月30日の千葉戦で悔しさを味わい「比江島慎が帰ってきた」

 ただしBリーグが開幕してから昨シーズンまでの5年間は、“悔しい顔”しか印象に残っていない。彼は毎年のように、王者の引き立て役に回っていた。

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 Bリーグ初年度の2016-17シーズンはシーホース三河でプレーしていたが、準決勝で栃木ブレックス(当時)にオーバータイム(※正確には第3戦扱いのショートゲーム)で敗れた。残り30秒の時点で2点リードをする展開ながら、比江島が大詰めで2つのパスミスを喫し、逆転負けを喫する苦い展開だった。

 2017-18シーズンはB1のMVPを受賞し、2018-19シーズンはオーストラリアのNBLに挑戦した。しかし思うような活躍ができずに帰国し、2019年春に宇都宮へ加入している。2020-21シーズンの決勝は1勝2敗で千葉ジェッツに屈し、比江島自身のBリーグ初制覇がならなかった。

 その決勝の試合後の記者会見では、「今の自分に足りないもの」と問われて言葉に詰まり、安齋HCに助け舟を出される一幕もあった。

 2021-22シーズンも宇都宮の主力として、引き続き“いいプレー”は見せていた。今季の51試合に先発し、平均11.5得点、3.7アシストを記録している。それがこのCSは“凄いプレー”を連発していた。

 5月14日の準々決勝第1戦で大活躍を見せた彼は、こう口にしていた。

「去年の(決勝で千葉に)悔しい負けがあったので、そこの悔しさだけをぶつけた。千葉相手に勝てている試合は、しっかり自分のバスケットができて、チームに影響を与えられていた。自分らしいドライブ、3ポイントやアシストも入れながら、チームに影響を与えることができたので良かった」

 安齋HCはこんな言い回しで、比江島の活躍を称賛していた。

「いつの間にか、比江島慎が帰ってきた」

 指揮官は比江島が“帰ってきた”きっかけとして、レギュラーシーズン終盤に組まれていた4月30日(71-74)と5月1日(72-69)の千葉戦を挙げていた。

「2連戦の1試合目は0点でした。マコが出ていた時間はプラス18でしたし、オフェンスの起点はマコでしたけれど、決めきれなかったという本人のもどかしさがあって。その次の試合からアタックモードに入った。自分第一、セルフィッシュなくらいにやり出して、でもそれが僕らの望んでいる比江島慎だから。そこにやっときてくれたんだという感じです。元々やれるのは分かっていました」

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