因縁の“宇都宮超え”でB1初制覇へ 川崎・司令塔、異例呼びかけに込めた成長への自信
川崎ブレイブサンダースは、バスケットボールB1リーグのレギュラーシーズンを東地区2位で終え、チャンピオンシップ(CS)準々決勝では名古屋ダイヤモンドドルフィンズに2連勝。千葉ジェッツが宇都宮ブレックスに屈したため、準決勝をホーム「とどろきアリーナ」で戦うことが決まった。
CS準決勝に進出、宇都宮との決戦へ篠山竜青が「チケット購入」を呼びかけ
川崎ブレイブサンダースは、バスケットボールB1リーグのレギュラーシーズンを東地区2位で終え、チャンピオンシップ(CS)準々決勝では名古屋ダイヤモンドドルフィンズに2連勝。千葉ジェッツが宇都宮ブレックスに屈したため、準決勝をホーム「とどろきアリーナ」で戦うことが決まった。
15日に行われた準々決勝第2戦は、名古屋が外国籍選手3名を欠くなかだったとはいえ、85-70で勝利している。ポイントガード(PG)の篠山竜青は冷静なゲームコントロールに加え、11得点5アシストを挙げる大活躍。マット・ジャニングとともに2戦目のMVPに選出された。
試合後のヒーローインタビューに登場した篠山は、「てつさん、今日はいっぱい喋っていいですか?」と切り出した。通常ならばMC高森てつ氏との掛け合いでインタビューは進む。しかし、この日の彼は1人でファンに語りかけた。まず名古屋の健闘を称え、応援への感謝を述べると、こう続けた。
「来週もとどろきで、セミファイナルを戦います。宇都宮さんは先に試合が終わっています。これがどういうことかというと、もうチケットは販売を開始しているんですね(場内笑)。宇都宮のファンの皆さんは本当に熱いです。試合結果が決まった瞬間に、もうチケットを買い出していると思うんですよ。皆さん、今スマホはありますよね? 本当にお願いします(場内拍手)。何回も悔しい思いをしているので、このホームで宇都宮さんとチャンピオンシップが戦えることは楽しみです。皆さん、またブレイブサンダースカラーでとどろきを埋めてください。今日は本当にありがとうございました。来週もお願いします!」
「試合直後のヒーローインタビューで選手がチケットの宣伝をする」という可笑しさはあるのだが、実に真剣で、大切なアピールだった。日本代表のキャプテンも務めた33歳のベテランらしい、目配りと気配りだった。
宇都宮は川崎より30分ほど早く試合を終えていた。“ブレックスネーション”の熱はBリーグ開幕前からの筋金入りで、多くのファンがアウェーにも駆けつける。まして宇都宮と武蔵小杉は新幹線を使えば1時間半だ。湘南新宿ラインを使えば2時間かかるが、乗り換えなしで料金も安い。つまり宇都宮ファンにとっても、試合のチケットさえ手に入れれば容易に足を運べる距離感だ。