やり投げ北口榛花が63m93でV 世陸女王&五輪銅の強豪撃破「ハイレベルだからこそできた」
陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が8日、東京・国立競技場にて有観客で行われ、女子やり投げは24歳・北口榛花(JAL)が63メートル93で優勝した。7月のオレゴン世界陸上の参加標準記録は64メートル00。突破はできなかったが、2019年世界陸上女王&昨年東京五輪銅メダルのケルシー・バーバー(豪州)らを抑えて勝ち切った。東京五輪代表のリナ・ムゼ(ラトビア)が61メートル68で2位、バーバーは61メートル00をマークして3位だった。
陸上・セイコーGGP
陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が8日、東京・国立競技場にて有観客で行われ、女子やり投げは24歳・北口榛花(JAL)が63メートル93で優勝した。7月のオレゴン世界陸上の参加標準記録は64メートル00。突破はできなかったが、2019年世界陸上女王&昨年東京五輪銅メダルのケルシー・バーバー(豪州)らを抑えて勝ち切った。東京五輪代表のリナ・ムゼ(ラトビア)が61メートル68で2位、バーバーは61メートル00をマークして3位だった。
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66メートル00の日本記録を持つ北口がスタンドを沸かせた。1投目に63メートル93をマーク。60メートルラインを軽々と越え、ファンがどよめいた。両手を挙げて小刻みにジャンプをしながら感情を表現。2投目は59メートル51、3投目は60メートル82だった。5投目も62メートル96、6投目も60メートル91と60メートル超えを連発。昨年2度目の日本選手権を制した女王が力を発揮した。
「今日、久しぶりに日本のGGPに海外選手が来てくださった。バーバー選手は銅メダルですし、ムゼ選手は私が高校時代にフィンランドで一緒に練習した間柄。シニアで戦えて楽しみでしたし、嬉しいです。ハイレベルだからこそ、1本目から64メートルを投げるつもりになってできた」
やり投げ王国のチェコ人コーチに師事し、2019年10月に66メートル00で日本記録を更新。リオ五輪銀メダル相当の好記録だった。19年ドーハ世界陸上は予選60メートル84で13位。6センチ差で決勝に進めなかった。昨夏の東京五輪は決勝に進んだが、左腹斜筋の肉離れで12位。今月1日の木南記念は61メートル20で優勝した。
今大会はコーチも来日し、直接指導を受けている。木南記念から体が突っ込んでしまう癖や右足の使い方などを修正。「投てき以外の練習でも常にそこを意識し続けてきた」と明かした。有観客の国立を経験し「たくさんの方が来てくださって、手拍子を求めたら凄く大きな音が響いた。楽しかったし、応援されている気持ちが大きくなりました。これを機にやり投げを見てくださる人が増えていってほしい」と願った。
次戦は東日本実業団にエントリーしているが、「今日の結果を踏まえて休ませてほしいけど……そうはいかなそう」と明るく苦笑い。「6月の日本選手権までに64メートルを超えたい。遠くに投げようと思ってカーブしたものもある。心のコントロールをしながら技術に影響を与えないようにしたい」と課題も見つめ直した。
(THE ANSWER編集部)