“エース級”コンビがCS前に負傷 苦境のA東京、日本人ビッグマンが背負う期待と重圧
バスケットボールB1リーグで唯一の複数優勝(2回)経験を持ち、3季ぶりの王座奪還に燃えるアルバルク東京が、苦境に立たされている。ライアン・ロシターとアレックス・カークという2人のビッグマンを故障で欠き、4月30日、5月1日の川崎ブレイブサンダース戦では68-76、53-85と2戦ともに敗北。チャンピオンシップ(CS)出場はすでに確定させているものの、東地区首位から3位まで転落した。
代役の平岩と吉井が奮闘も、川崎に連敗でB1東地区3位に転落
バスケットボールB1リーグで唯一の複数優勝(2回)経験を持ち、3季ぶりの王座奪還に燃えるアルバルク東京が、苦境に立たされている。ライアン・ロシターとアレックス・カークという2人のビッグマンを故障で欠き、4月30日、5月1日の川崎ブレイブサンダース戦では68-76、53-85と2戦ともに敗北。チャンピオンシップ(CS)出場はすでに確定させているものの、東地区首位から3位に転落した。
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エース級のパフォーマンスを発揮する2選手の代役を務めることになったのが、平岩玄と吉井裕鷹だ。川崎戦は第1戦(4月30日)のスタートに吉井、第2戦(5月1日)のスタートに平岩が名を連ね、ともにレギュラーシーズンのアベレージを大きく上回るプレータイムを戦った。
日本人選手としては大柄な体格(平岩200センチ、吉井196センチ)の彼らではあるが、2メートル超の外国籍選手や帰化選手と対比すると、当然分が悪い。さらに平岩はプロ入り2年目、吉井はルーキーと、キャリアも浅い。A東京のルカ・パヴィチェヴィッチ・ヘッドコーチ(HC)は、彼らの置かれている現状について話す。
「Bリーグの現行のルールでは、ビッグマンは外国籍が中心で、パワーフォワード、センターのレベルは非常に高いです。ゲンもヨシイも学生時代はトップクラスの選手でしたが、プロではNBAやNCAA、ユーロリーグで活躍した選手たちとプレーすることになるので、経験のなさや身長、フィジカルの差を理由にプレーする機会がなかなか得られません。
そのような現状でも、ロシターやカークが欠場したここ数試合はハングリーにプレータイムをもぎ取ろうとしているのですが、ナーバスさやエキサイティングさ、試合に出られるワクワク感などで、本来のプレーを上手く発揮できずにいるところもあるでしょう。2人にはアルバルクの練習で積み重ねたものを、コートでしっかり表現することを求めています」
第1戦でキャリア2度目のスタメン起用となった吉井は、多少のナーバスさを感じる立ち上がりだったが、徐々に試合にフィットし、アウトサイドのシュート力を生かしながら今季最多29分の出場で11得点を挙げた。
「スカウティングで(マークされた)ニック・ファジーカス選手と僕の距離がかなり空くと言われていたので、僕を起点に点を取ったり外にさばいたりというプレーを思い切りやりたかったんですが、もうちょっとできたのではないかと思います」
こう試合を振り返った吉井に、ルカHCがコメントした「アルバルクの練習で積み重ねたもの」が何かを問うと、以下のような答えが返ってきた。
「とにかく外国籍選手より身長が低いので、足元に入ると言ったら聞こえが悪いかもしれませんが、とにかくフラストレーションを溜めさせる。具体的に言えばディフェンスでディナイするとか、ぶつけるべきところで体をぶつけるとか、リバウンドを取る時にスクリーンアウトしてゴール下に入らせないとか……。すべてやりきる意識ではいますが、できない時も臨機応変に対応することを求められていると思います」