五輪を棒に振った米フィギュア選手 コロナから復活の世界3位は「地獄を抜ける一歩」
フィギュアスケートの世界選手権(フランス)男子シングルでは、ビンセント・ジョウ(米国)が3位に入った。北京五輪は新型コロナウイルス陽性で個人戦に出場できず。棒に振ったが、復活を印象付けた。米メディアは「地獄から抜け出す一歩」と報じた。
世界選手権、ビンセント・ジョウが3位に
フィギュアスケートの世界選手権(フランス)男子シングルでは、ビンセント・ジョウ(米国)が3位に入った。北京五輪は新型コロナウイルス陽性で個人戦に出場できず。棒に振ったが、復活を印象付けた。米メディアは「地獄から抜け出す一歩」と報じた。
ジョウは2月6日に北京五輪団体戦男子フリーを滑り、米国の銀メダルに貢献した。しかし、翌日に陽性判定を受け、8日の個人戦に出場できず。北京で隔離期間を過ごした末、大会最終日のエキシビションで演技をした。しかし、同日夜の閉会式に向かう途中、「彼らは私を新型コロナの濃厚接触者に指定し、それ以上の参加を認めなかったのです」と現地スタッフに止められたことを明かしていた。
世界選手権3連覇のネイサン・チェン(米国)にこの4年間で唯一勝ったことがあり、五輪はメダル候補の一角と評価されていた。悲劇から1か月。失意から立ち直り、世界の舞台で輝きを放った。宇野昌磨、鍵山優真に次ぐ銅メダル。米放送局「NBCスポーツ」は「世界選手権で驚きのメダル獲得、ビンセント・ジョウが五輪の地獄から抜け出す一歩」との見出しで記事を掲載し、五輪後の日々についてこう伝えた。
「先月の北京で、ジョウを追いつめる不運が重なり、隔離されて過ごす中で機会を逃したことに対する悲しみに暮れることになった」「3週間後、彼曰く“底なし沼”にいるような感覚で目覚めると、ジョウは代理人、コーチ、そして親しい人に対して彼のキャリア全てが失敗に終わり、全く意味のないものになってしまったと話した」