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西武ファン語り草の「米野、ガッツポォォー!」 あの実況に米野智人が感謝し続けるワケ

「THE ANSWER」の連載「Restart――戦力外通告からの再出発」に登場し、現在はプロ野球・西武の本拠地ベルーナドームの飲食店「BACKYARD BUTCHERS(バックヤードブッチャーズ)」を運営している40歳・米野智人さん。インタビューの中で掲載できなかった現役時代の秘話を「こぼれ話」としてここで紹介する。

現役時代の米野さん。西武ファンの語り草になっている一発とは【画像提供:西武ライオンズ】
現役時代の米野さん。西武ファンの語り草になっている一発とは【画像提供:西武ライオンズ】

ベルーナドームで飲食店を運営、米野智人さんが明かす西武時代の秘話

「THE ANSWER」の連載「Restart――戦力外通告からの再出発」に登場し、現在はプロ野球・西武の本拠地ベルーナドームの飲食店「BACKYARD BUTCHERS(バックヤードブッチャーズ)」を運営している40歳・米野智人さん。インタビューの中で掲載できなかった現役時代の秘話を「こぼれ話」としてここで紹介する。

「あの一本がなければ、お店もやっていないかもしれません」

 10年前の2012年4月26日、未だ西武ファンの語り草になっている一発が生まれた。福岡で行われたソフトバンク戦。1-3と2点ビハインドの9回に、途中出場していた米野さんの打席が回ってきた。2死満塁の大チャンス。しかし、マウンド上は守護神ファルケンボーグ。この時点まで開幕から8戦8セーブ、防御率0.00だった。

 身長2メートル、威圧感満点の剛腕と相対した米野さんは怯まなかった。1ボールからの2球目、真ん中付近の147キロ速球を振り抜く。打球はどよめきの中、左翼席に突き刺さった。敗戦まであと1死からの逆転満塁ホームラン。「今年ダメなら、野球人生終わりかもしれない」。ヤクルトからトレードで加入して3年目、悲壮な決意で放った移籍後初アーチだった。

「僕の野球人生を振り返るうえで、あれがなければ何も残っていないくらい価値がある一本。僕以上に周りの反響が凄くて、今でもお店の横に立っていると『あれは観ていました』『凄かったですね!』とお客さんに言われます。10年も経つけれど、皆さんの記憶にも残っているんだなと」

 劇的な一発をさらに引き立たせたのが、実況で涙ながらに叫んだ文化放送・斉藤一美アナだ。「入ったぁ~~~! 米野ガッツポォォー! 移籍後初アーチが、ファルケンボーグ相手の、満塁ホームラァァァン!」「見たかこれが決意のコンバート、プロ野球生命を賭しての一振りだ!」。打撃を活かすため捕手から外野手に転向し、この1年に勝負をかけた米野さんの一発を、感情たっぷりに伝えた。

「あのホームランにインパクトが残ったのは、斉藤さんがあそこまで号泣してくれたから。あれがなければ、そこまで皆さんの記憶に残ることはなかった。今の自分があるのは、斉藤さんのおかげでもあります」。感謝を語る米野さんは昨年、ベルーナドームにてビーガン食の飲食店「BACKYARD BUTCHERS」をオープン。球場の盛り上げに一役買っている。

(THE ANSWER編集部)


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