ブレイクの要因は同僚から渡された「1冊の本」 B1新潟、若手3人躍動で復活の兆し
新潟アルビレックスBBは“連敗の長いトンネル”を抜け出した雪国のクラブだ。10月10日の三遠ネオフェニックス戦から積み上がった連敗は、B1史上最長の26試合。終盤に逆転される悔しい展開も多かった。
新潟が群馬に96-79と勝利、B1ワースト26連敗後は徐々に持ち直す
新潟アルビレックスBBは“連敗の長いトンネル”を抜け出した雪国のクラブだ。10月10日の三遠ネオフェニックス戦から積み上がった連敗は、B1史上最長の26試合。終盤に逆転される悔しい展開も多かった。
新潟はBリーグ初年度からチームを支えた名ポイントガード(PG)五十嵐圭が、今季から群馬クレインサンダーズに移籍している。主力に若手の多い陣容も、勝負どころの脆さに影響していたのだろう。
しかしキャリアが浅い選手でも、正しい指導を受け、正しく努力をすればステップアップできる――。そんな可能性を感じたのが、96-79と勝利した2月6日の群馬戦だった。この試合で二桁得点を記録した納見悠仁、遠藤善、木村圭吾はいずれも20代前半だ。
木村は実践学園中、八王子高で活躍した21歳のウイングプレーヤーで、「スラムダンク奨学金」を得てアメリカに留学していた。NCAA3部のセント・ジョセフ大に在学していたが、コロナ禍もあってキャンパスに戻らず、2021-22シーズンからプロのキャリアをスタートさせている。
遠藤は帝京長岡高、日本体育大出身のシューティングガード(SG)で現在23歳。昨シーズンは大阪エヴェッサで4試合に出場しているものの、アマチュア契約だった。フルシーズンを戦うのは、もちろん今季が初めてだ。
新潟は1月30日、31日の茨城ロボッツ戦に連勝し、連敗のトンネルは抜けていた。ただ2月2日の宇都宮ブレックス戦、5日の群馬戦は敗れている。群馬は相次いだ外国籍選手の負傷がすべて癒え、フルメンバーで会場のアオーレ長岡に乗り込んでいた。
第1クォーターは新潟が14-23とビハインドを負う展開だった。10分間でターンオーバーを6つも喫する内容で、決して良い出足ではなかった。
しかし第2クォーターに、木村がチームに流れを引き寄せる。木村は残り4分33秒、残り2分59秒と3ポイントシュートを成功。この時点でスコアは32-39と、なおビハインドだったが、ここからロスコ・アレンが立て続けにシュートを決め、さらに残り24秒で木村はこのクォーター3本目の3ポイントシュートを沈める。新潟が43-41と試合をひっくり返して、そのまま後半に入る。