B2で首位独走、FE名古屋の強さとは? 10日間の隔離生活も…難敵を“26点差”で一蹴
ディフェンス中心のチームだからこその強み
他チームの経験を生かして事前に備えていた選手もいる。石川は説明する。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
「僕は元々、家の一部屋をトレーニングルームにしています。バイクがあるし、スケートの滑るやつもあるし、懸垂もある。昨シーズンに熊本でコロナが出た時に、その環境がないと体力が落ちてしまうと分かった。コロナのためだけではないですけど、いつ何どきそういうことがあってもいいように部屋を作りました」
川辺HCは振り返る。
「体力より感覚が一番ブレるなと思いました。最初は天王山くらいの気持ちでしたけれど、10日間の隔離となったので……。まずできるだけ選手を使う、怪我なく……というところにかなり移行しました」
そんな状態で迎えた22日の仙台戦だが、FE名古屋は仙台を95-69と一蹴してみせた。ランダルが26得点、ジェレミー・ジョーンズが19得点、エヴァンスルークが15得点とスコアが各選手に分散。“守備から速攻”の形がハマり、得点も伸びた。ベンチ入りした12選手が全員コートに立ち、得点を決める理想的な展開だった。
石川は胸を張る。
「オフェンス中心のチームならば(感覚のズレが)大きく関係すると思うんですけど、僕らはディフェンスに重きを置いてやっている。身体が動けばディフェンスはできます」
FE名古屋が多用するラインアップはエヴァンス、ランダル、ジョーンズの3ビッグ。エヴァンスは203センチ、ランダルが198センチ、ジョーンズは201センチとバスケット界の基準では“スモール”なビッグマンだ。ただこの3人はサイズのハンデがありつつ、インサイドの守備やリバウンドでいい仕事をしていた。
川辺HCは説く。
「ウチはそもそもディフェンスのチームなので、そのインテンシティは相当高く求めています。リバウンドとルーズボールにダイブすること、ボールマンへのプレッシャーをしっかりかけること、コンタクトのあるディフェンスをすることをチームルールにしています。彼らはそれを愚直にやり続けていますし、機動力があるからこそフットワークで守れる。特にJJ(ジョーンズ)は元々ディフェンスのいい選手です。ゴンザガ大でも4番をやっていて、思っているよりビッグマンにつける」
この3人の守備における強みはウイング、ガードまでほぼすべての相手につけること。マークのスイッチ(受け渡し)をしてもミスマッチが起こらず、相手はズレを作れない。
「スイッチは多くなるんですけれど、しっかりそこから対応できています。今のバスケットはピックからのズレを作るプレーが主流だけど、スイッチを上手に使うと(相手は)それができない」