いよいよ出陣なでしこJ W杯出場へ、全23人の素顔・特徴をVメンバー岩清水梓が解説
セットプレーが光る猶本、フィジカルの遠藤 バラエティ豊かなMF陣
――ここからはMFです。まずはレッズの猶本光選手です。
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岩清水「猶本選手はシュートレンジが本当に広いですし、対戦相手として『そこから打つの?』というようなシュートを入れてくる。FKやセットプレーのプレースキックの精度がすごく高いですし、代表ではなかに身長の高い選手を揃えることができるのでキッカーの存在も重要になってきます。これまでの経験上、アジアでは拮抗した試合が多くなるので、セットプレーで猶本選手の精度の高いプレースキックはチームの武器になるのかなと思います」
――次はINACの成宮唯選手です。
岩清水「INACに移籍して技術や運動量がさらに強化されて、代表に選ばれた選手だと思います。ジェフユナイテッド千葉レディースでも頑張っていましたけど、INACでさらに輝いてチームの中心選手としてプレーしています。昨年11月のオランダ遠征時も、小柄なんですけど運動量が豊富でハードワークできるうえに、ボールタッチが繊細。本当にうまい選手ですし、周りとリズムが合うなと見ていて感じました。代表でも、良いスパイスになるんじゃないかなと期待しています」
――元チームメートで、マイナビ仙台レディースの隅田凜選手です。
岩清水「ベレーザで一緒にプレーしていた選手で、今は仙台でキャプテンをやっている選手です。そんなに多くを語らないというか、物静かなほうだと思うんですけど、宮川選手と非常に仲が良くて一緒にいるとふざけたりして面白さを発揮するタイプのようです。同年代の選手が代表には多いのでコミュニケーションも問題ないですし、卒なくこなせる選手だと思います。中盤でボールにもよく触りますし、運動量もありますので、どんな使われ方をしても合わせられる選手だと思います」
――次も元チームメートですね。ウェストハム・ユナイテッド(ENG)の長谷川唯選手です。
岩清水「長くベレーザで一緒にやっていた選手ですけど、素の長谷川選手は非常に明るくて、線も細いので、ピッチを離れると本当に普通の女の子という印象です。ですが、サッカーの技術の高さはチームナンバーワンだと思います。即興プレーといいますか、ひらめきがすごくある選手なので、ベレーザのときも彼女がリズムに乗って止められなくなってくると、チームが活性化されていました。ボールがあるところにはどこにでも顔を出す選手なので、代表でもリズムを作ってくれることを期待しています」
――AIKフットボール(SWE)に所属する林穂之香選手です。
岩清水「東京五輪では当初バックアップメンバーでしたが、最終的には正式メンバーになった選手です。ボランチとしてすごく気の利くポジション取りをする印象があります。センターバックから見て、立っていてほしい場所にポジションを取ってくれるし、センターバックがなんとか跳ね返せたボールをキレイにつないでくれる。そういった気の利くプレーをしていた印象があります。左右のキックの飛距離もすごいですし、アンダーの代表のときもミドルシュートを打っていたので、ボランチとしての存在感がある選手ですね」
――仙台が続きます。まずは長野風花選手です。
岩清水「所属する仙台では攻守において中心にいる選手で、代表では池田監督になってから選ばれるようになった選手の一人です。監督からの信頼も厚いと思うので、これから池田監督のもとでプレーするうえでは監督のやり方も十分に分かっていると思います。なので、新しい代表チームを引っ張っていってもらいたいなという期待を持っています」
――続いて、宮澤ひなた選手です。
岩清水「彼女もベレーザから移籍した選手ですが、本当に足が速い! カウンターというか、一発のスピードがめちゃくちゃ速いうえに決定力も高い選手なので、いろんな使い方があるとは思うんですが、疲れて停滞し始めた頃に宮澤選手がピッチに出てきたら面白いだろうし、スピードはぜひ注目してみてほしい選手ですね」
――キャンプ終わりで海外に移籍する遠藤純選手(エンジェル・シティFC/USA)です。
岩清水「珍しい左利きの選手です。JFAアカデミー育ちで昔からしっかりとフィジカルトレーニングをやり込んできた選手なので、フィジカルテストを行うと必ず1位、2位を争う上位にいます。なので、海外に移籍しますが、海外選手との対戦は本人も楽しみなんじゃないかなと思います。当たり負けするのか、しないのか。私も楽しみですし、見ている人も遠藤選手のフィジカルに注目してもらえればと思います」