少年サッカーで珍しい順位決定、フェアプレーに提示されるグリーンカードで勝ち抜け
フェアプレーを推奨するものだが、称賛されたい気持ちが先行する懸念も…
ほかの大会でも採用されているが、勝敗決定事項に含まれるのは、珍しい。大阪市ジュネッスは、指導者も勝ち抜けは抽選次第と思い込んでいたが、試合後にグリーンカードによる勝ち抜けを知らされた。
攻撃の主軸として活躍した背番号10の川口遼己君は「グリーンカードは、良い挨拶ができたからチーム全体でもらったけど、いつも通りにしただけだった。昨日のチームミーティングでフェアプレーも大事と言われていたし、嬉しい」と喜んだ。
グリーンカードは、フェアプレーを奨励するものだが、国内少年サッカーの指導者の間では、わざわざ審判がカードを提示する必要はないという否定的な意見も存在する。子どもが大人の視線を気にして行動を変えてしまうからだ。例えば、試合に勝った選手が、負けて泣いている選手を慰めてグリーンカードを提示されると、大会の中で同じ行為が増える。行動を重ねて習慣化することで子どもがフェアプレーを学んでいく可能性がある一方、グリーンカードによって称賛されたい気持ちが先行し、形ばかりのフェアプレーが増える懸念も生まれる。
グリーンカードは、日本サッカー協会などが主催する全日本少年サッカーでも導入しているが、勝敗、順位決定とは無関係としている。フェアプレー賞など勝敗に関連しない表彰の対象となる例は多い中、今大会ではグリーンカードがトーナメント出場チームを決めるという珍しいケースが生まれることとなった。
ダノンネーションズカップ2018inJAPAN決勝大会
決勝トーナメント組み合わせ
柏レイソルU-12(A組1位)vs栃木SCジュニア(B組2位)
バディサッカークラブ(C組1位)vsヴァンフォーレ甲府U-12(D組2位)
FCパーシモン(E組1位)vsサンフレッチェ広島F.C.ジュニア(F組2位)
セレッソ大阪U-12(G組1位)vs東京ヴェルディジュニア(H組2位)
大阪市ジュネッスフットボールクラブ(A組2位)vs川崎フロンターレU-12(B組1位)
大分トリニータU-12(C組2位)vsレジスタFC(D組1位)
大宮アルディージャジュニア(E組2位)vs江南南サッカー少年団(F組1位)
Wings U-12(G組2位)vsバディーSC(H組1位)
(平野 貴也 / Takaya Hirano)