終盤14点差逆転V 「岡山のコービー」針間大知が日本一&MVP「誇れるもの」
元NBAのスター、コービー・ブライアントに憧れる長身シューターが劇的な逆転勝利で日本一に輝いた。中学生年代の都道府県選抜選手が出場する「第31回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」は30日に東京体育館で最終日を行い、男子は岡山県が3年ぶり2回目、女子は千葉県が10年ぶり2回目の優勝を飾った。
針間が残り11秒で同点3ポイント、延長戦制す「自分がやらなければいけないと」
元NBAのスター、コービー・ブライアントに憧れる長身シューターが劇的な逆転勝利で日本一に輝いた。中学生年代の都道府県選抜選手が出場する「第31回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」は30日に東京体育館で最終日を行い、男子は岡山県が3年ぶり2回目、女子は千葉県が10年ぶり2回目の優勝を飾った。
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男子の決勝戦は、劇的な逆転勝利だった。岡山は、東京Aと対戦。第4ピリオドの残り2分ほどで53-67と引き離されて苦しんだが、エースの針間大知(倉敷市立玉島北中)が外角シュートを連発して猛追した。最後は64-67から残り時間11秒3で、針間が3ポイントを決めて同点。3分間のオーバータイムでも、やはりポイントは針間だった。ジャンプシュートを決めて加点。追いつかれた後の2本目は外したが、同じ中学校のチームメートであるセンターの森岡裕貴がタップシュートをねじ込み、岡山が71-69で勝利した。試合最多の24得点を挙げた針間は、男子のMVPにも輝いた。
「岡山のコービー」だ。針間は中学2年(4月から3年)で180センチと体のサイズに恵まれている選手だが、インサイドで高さを生かすというより、1対1で相手を巧みにかわして的確にたたき込む外角シュートが武器の技巧派。小学生の頃にNBAのスター選手だったコービー・ブライアントの映像を見て真似をしていたと言い「ワンドリ(ドリブル)からのジャンプシュートが得意。コービーのフェイドアウェイシュートのときのヒジの使い方が、自分にとっては完ぺきな形。真似をしていたら、自然と試合に出るようになった。ジャンプシュートは、相手を少しずらせば打てる」と絶対的な武器とした。
岡山は、序盤に本山遼樹のドライブ(倉敷市立玉島北中)、大長勇也(倉敷市立玉島北中)や澤田大夢(倉敷市立東陽中)の外角シュートで得点を重ねていたが、終盤は、エース頼みになった。マークは厳しくなったが、柄川祥コーチは「針間に相手のマークが寄って来ることは予測していた。それでも、針間には『エースなら全国のトップで点が取れる選手でなければいけない』と言っていた」と信頼を寄せていた。期待に応えた針間は「エースは、ワンプレーで流れを持って来られる選手。途中で10点以上離されて、自分が何とかして流れを引き戻さないといけないと思った。3ポイントのときは、自分がやらなければいけないという責任感だった」と試合後に安堵の表情を浮かべた。
岡山は、針間、森岡ら180センチが最長。190センチ台のビッグマンはいないチームだったが、総合力で栄冠を手にした。主力選手の多くが倉敷市立玉島北中の所属。針間は「日本一とMVPは、これからのキャリアの自信になった。誇れるもの。今度は(8月に行われる)全国中学校バスケットボール大会で優勝したい」と早くも全国2冠に意欲を見せた。