五輪で起きた奇跡的秘話 バスを間違えた海外選手、日本人女性の助けで金メダル獲得【東京五輪総集編】
本人が明かしていた経緯「助けたい気持ち一心でした」
当時、「THE ANSWER」の取材を受けた河島さんによると、旅行会社「近畿日本ツーリスト」が業務委託した派遣スタッフとして、競技会場のバス乗降場で選手ら大会関係者を案内・誘導する業務を担っていた。バスを乗り間違えたパーチメントは本来、選手村に戻ってバスに乗り換えるべきだったが、「それではレースに間に合わない」との本人の答えがあり、現場責任者の判断で専用タクシーを呼び、1万円をポケットマネーで渡したという。
その理由について「知らない土地で試合のことで頭がいっぱいだろうし、そんな時に迷って間違ってしまうのは仕方ないだろうと思いました。国を背負って人生をかけて来てるんだろうなと思うと、今回このご時世の中、五輪に出られたのは奇跡かもしれない。もう最後になるかもしれない。一生後悔させてしまうことは私にはできないと思い、助けたい気持ち一心でした」などと明かしていた。
大会後にはジャマイカ大使館で河島さんへの感謝の式典が開かれた。さまざまな“おもてなし”が話題に浴びることになった東京五輪。なかでも、河島さんはその象徴ともいえる一人だった。
(THE ANSWER編集部)